BLOGしょう先生のブログ
おはようございます。今日もお越しくださり、ありがとうございます。
今日は、矯正治療って高くないですか?という質問に、お答えしたいと思います。
目次
治療費について、どう考えるか?
「矯正ってさ、めっちゃ高いやん。」
友人に言われます。患者さんからも言われます。
幸い、神戸で開業してからはまだ言われていませんが、大阪の下町で勤務していた時はこんなことをよく言われました。
「で、なんぼまでがんばってくれるん?」
関西圏にお住まいではない方も読んでいただいているので、この関西弁を解説しますと
「なんぼまでがんばってくれるん?」=「当然安くなりますよね?」
という、一生懸命治療している人間にとって、ものすごく失礼な質問です(笑)
治療の費用に関しては、高いと感じる方もいれば、安いと感じる方もいらっしゃいます。
その価値観はみなさま個人個人が持っているもので、統一見解はありません。
その価値観を私のこの文章力で変えてみせよう!ビビデバビデブー!みたいなことを言いたいわけではなく、あくまでも、こういった考え方もありますよ、というその例を提示してみたいと思います。
矯正を「美容」として考える方の場合
矯正治療は見た目の美しさを改善する「美容」の側面と、末永く自分の歯で噛めるようにする「機能改善」の側面があります。
歯科関係者ではない多くの患者様にとって、「機能改善」という側面はあまり知られておらず、やはり最も大切なのは「美容」の側面ではないでしょうか。
見た目を改善したい!けど高いな…と思っている方の場合、あなたが費やしている普段の「美容費」と矯正治療費を比較してみてはいかがでしょうか。
例えば、ネイルサロン。私はネイルサロンに行ったことがないので、ネットで調べたところ、安いところと高いところ、その間を取ると約1万円といったところでしょうか。
例えば30歳で2か月に1回ネイルサロンに行っている方は、年間6万円、美容にお金を使っていると言えます。
10年で60万円。20年で120万円。30年で180万円。
ネイルは、永久に使えるものではないので、定期的に新しくしますよね。その費用を、高いと思うか安いと思うか。それは、あなたの価値観です。
矯正治療は、最初に支払うお金は高いかもしれません。
でも、1度矯正が終わればそれでおしまいで、そのあと定期的に矯正をやりかえるわけではありません。
人生を終えるまで2か月に1回ネイルをし続けたとしたら、矯正治療費よりもネイルサロン代の方が高くなります。
それでもやっぱり、矯正治療費って高いでしょうか。
もちろん、ネイルサロンにはいかないわ!!という方はネイルサロンで考えなくても構いません。
例えばマッサージやエステ。こちらに月1万円かけている方であれば、10年で120万円。20年で240万円。30年で360万円。
それでも、あなたにとっては必要な施術、必要な時間だから、通われているわけですよね。
そのお金の使い方には、意味があり、有意義なものだと私は思います。
矯正治療にこのお金を使うことは、高いのでしょうか。
矯正を「消費」として考える方の場合
マイホームを買うか、賃貸で暮らしていくか、なんて議論がよくネットにあがりますよね。
マイホーム派の方は「老後に家賃を払う心配はない」なんて言いますよね。
3000万円の家を買って、35年間住宅ローンを払うという場合、金利が全く発生しないと仮定すると、月々の支払いは約7万2千円です。
端数を消して7万円と見積もっても、1年で84万円、10年で840万円です。
そして当たり前ですが、35年で3000万円です。
その3000万円の家は、価値があると思って買われたんですよね。
大金だけれども、そのマイホームで楽しく家族と過ごすことが、すごく素敵なことだと思うからこそ、お金を使われましたよね。
では、矯正治療はどうでしょうか。きれいな歯並びになるために、3000万円もかかりません。4人家族が全員矯正しても全然かかりません。
しかも、あなた自身が矯正をしたことで、あなたの笑顔はより素敵なものになるでしょう。
そして、あなたがおじいちゃん・おばあちゃんになっても、家族みんなでおいしいものを食べに行けるでしょう。
「おじいちゃんだけお肉噛めないから、別メニューで雑炊ばっかり食べてるわね」なんてことも避けられるかもしれません。
「おばあちゃんお口くさーい」「入れ歯きたなーい」とか言われることも避けられるかもしれません。
老後に歯の治療にかけるお金がウンと減らせるかもしれません。
その矯正費用は、高いでしょうか?マイホームの老後理論と、何が違うでしょうか?
矯正を「投資」として考える方の場合
持ち家の例えを続けましょう。
購入した家と、矯正治療には大きな違いがあります。それは、購入した家は年々価値が下がるが、矯正治療は年齢とともに資産価値が減っていかない、ということです。
3000万円の家が、35年後にも3000万円という可能性は、どのぐらいあるでしょうか。
もちろんそれより高くなる家もあるかもしれませんが、多くのお家は価値が下がっていることでしょう。
でも、矯正は違います。矯正をしたことで、歯のお手入れがしやすくなり、無駄な歯科治療費を抑えられるかもしれません。
歯への出費は、年齢とともに増えていきます。
あなたのおじいさま、おばあさまの世代で、ひたすら歯医者に通っている人はいませんか?
そういった方の多くは、歯を大切にしてこなかった結果、歯のトラブルを抱えていらっしゃるのです。
若いころにしっかりと歯に投資していたら、そんなことにはならなかったはず。
でも、残念ながら、私たちの祖父母世代には、そういった教育がなされていませんでした。
「歯医者は歯が悪くなったら行くところ」
そういうものだと教わっていたので、今の祖父母世代の皆様に罪はありません。
今は違います。
歯の予防に投資することで、将来の歯の健康を得る。その投資額として、矯正治療費は高いでしょうか。
え?私の35年後の外見の劣化は考慮にいれなくて良いのかって?
うーん。それは…成熟と捉えましょうね。
矯正を「保険」として考える方の場合
日本人は保険が大好きだとよく聞きます。
生命保険、火災保険、自動車保険、ガン保険…それらは「万一の時」に備えてのものですよね。
そんな保険に入っているあなたは、歯が「万一の時」を考えたことはありますか?
老後に歯が割れて、人工の歯「インプラント」をするとなった場合、1本あたり平均して40万ぐらいかかります。
5本インプラントで200万円。10本なら400万円。
矯正治療をしておけば、そのリスクを下げられるかもしれません。
矯正治療は保険…私たちは「予防」と言いますが、その予防のために、矯正治療をすると考えても、矯正治療は高いでしょうか?
考え方はさまざま
いかがでしたでしょうか。いろいろな考え方がありますよね。
おそらくこのブログにたどり着いた方は、「矯正をしたい」けど、「矯正は高い」と思っておられる方だと思うんですね。
矯正なんて興味ないって方は、ここにたどり着かないはずですから。
そういった方は、心のどこかで「高いけどしたい」気持ちがあって、その気持ちを後押ししてくれる何かが欲しいのではないかとお察しします。
そういった方に、今日の記事のような側面から矯正治療費を見ていただき、改めて、検討していただければ幸いです。
私が悲しいなと思うのは、「あの時矯正をやっておけばよかった」と後悔するお言葉を聞くときです。
あの時は矯正って高いと思ってやめたけど、今思えばあの時やっていたら、こんなに歯のトラブルで悩むことなんてなかったのに…なんてお言葉を聞くと、本当に切なくなります。
価値観は人それぞれですから、私は絶対に矯正をするべき!という考えではありません。
私は歯に重きを置いておられない方は、矯正をしなくても良いと思います。
でも、よく考えて、「それで将来後悔しないのか?」というところまで考え抜いて、その上で結論を出していただきたいなと思います。
今日もお読みくださり、ありがとうございました!