おはようございます。今日もしょう先生のブログにお越しくださり、ありがとうございます。
みなさんは、歯の先天欠如という言葉をご存知ですか?
「せんてんけつじょ」と読みます。
先天的に、つまり、生まれつき歯がないということです。
今日は歯の先天欠如について、お話したいと思います。
矯正相談に来られる方で、大人の歯がない方が増えています。
「えっ、そんな人いる?」と思われたかもしれません。
もちろん、全ての歯がないわけではありません。
親知らずまで含めた永久歯32本のうち数本がない、すなわち歯の本数が足りない方がいらっしゃるのです。
「あ、それなら知ってるわ。私、親知らずなかったもん。」
そう思われた方もいるかもしれません。
たしかに、親知らずが生まれつきない方は多いのですが、親知らずだけでなく、前歯や横の歯がない方も増えているのです。
福岡歯科大学医科歯科総合病院矯正歯科での調査※によりますと、
2009年から2019年までの10年間で、矯正歯科に来院した患者様のうち、永久歯の本数が足りない(先天欠如のある)方は、全体の12.3%だった
(※Orthod Waves-Jpn Ed 2020 ; 79(2) : 82-88 より)
ということです。
つまり、「矯正歯科に矯正相談に来られた方のうち、10人に1人は永久歯の本数が足りていない」というわけです。
結構な頻度だと思いませんか?
ちなみに、上記研究は矯正歯科に来た患者様のみを対象としていますが、過去に矯正と関係なく実施した調査でも10%程度と報告されています。
上記データは、私の体感とも一致します。
矯正相談にはたくさんの方がいらっしゃいますが、結構歯の少ない方は多いです。
そして、そのほとんどの方が、そのことをご存じないという状態です。
なぜなら、歯科でも歯の本数の見落としが多いからです。
私は以前、一般歯科(虫歯治療)で矯正医として働いていました。
その時に、レントゲンで明らかに本数が足りていないことがしばしばありました。
そこで、虫歯治療を担当している主治医に私がそのことを伝えると「あっ、ほんまや」と仰る先生がすごく多かったのです。
『虫歯治療の先生って、歯の本数はあまり気にしていないんだ…』と、その時初めて知りました。
一般歯科の先生はどこに虫歯があるのかについて目を光らせ、それを見つけるプロです。
また、歯周病の治療、入れ歯の治療など、なんでもこなすことができるプロです。
しかしながら、全体の本数が足りていないことには意外と気づいていません。
(念のため補足しますと、もちろん見落とさない先生もいらっしゃると思います。)
ご不安な方は一度矯正歯科で本数を数えてもらうと良いかもしれません。
いかがでしたでしょうか。
歯の本数、みなさんは足りていますか?ぜひ、確認してみてくださいね。