BLOGしょう先生のブログ

第38回【人生の気づき】仕事がしんどくなった時、気分が楽になった考え方

こんにちは。今日もお越しくださり、ありがとうございます。

今日は久々に人生の気づきコラムです。

歯科とは関係のないことですが、読み物としてお楽しみいただければと思います。

今日のコラムは、ちょっとお仕事関係、夫婦関係、友人との関係など、人間関係でお悩みの方に、少し参考になる…かもしれません。

 

 

仕事でしんどくなった

私が働き始めて、すごくしんどくなったことがありました。

どうしてしんどくなったのか。いくつか例を挙げますと

・患者さんが、ちゃんと話を聞いていない

・患者さんが、私が言った通りにちゃんと装置を使ってくれない

・患者さんが、ちゃんと通院しない

・患者さんが、歯磨きをちゃんとしない

そういうことで、すごくしんどくなったんです。

 

そして、そういった方に限って「あとどれぐらいで治りますか」とか聞いてきたり、

「もうちょっと前歯後ろにひっこみませんか?」と仰るんです。

全然約束通りに来られないのに、来たらいろいろと条件を付けてこられたりして、参っていました。

私としては、「ちゃんと装置を使ってくれてたらもうとっくに治っているのに…」とか、

「最初に前歯を後ろに下げるプランも提示していたけど、違うプランを選んだのは患者さん側だし…」

「どうして一生懸命考えて全力で治療に向き合ってきたのに、こんなこと言われないといけないんだろう…」

みたいなモヤモヤがありました。

 

 

責任は自分にあると思っていた

私はこういう時に、「その結果を招いたのは自分である」と考えるタイプです。

 

例えば「患者さんが、ちゃんと話を聞いていない」という結果が出たとき、こんな風に考えます。

 

1)私の説明が難解すぎて理解できなかったのだから、もっとかみ砕いて説明すべきだったのではないか

2)説明は分かりやすかったけど、声に抑揚がなく、そのポイントが重要だと認識されなかったのではないか

3)きちんと納得されていたけど、話したのはだいぶ前のことだから、もっと定期的に、繰り返し説明すべきだったのではないか

 

こんな感じで、自分がどうすべきだったのかを反省します。

 

 

疲労感がすごい

ただ、この考え方って、めちゃくちゃしんどいんですよね。

確かに自分の改善ポイントは分かるのですが、考え始めると考えることが多すぎて、脳がパンクしてしまうんです。

お子さんの矯正治療であれば、お子さんの個性だけでなく、そのお母さんの個性も考えながらお話をしないといけません。

どうやったらちゃんと聞いてくれるのか。それを考えるだけで、脳がパンクする。

今でも、診療時間が終わったら、頭の中でお湯が沸いているような感覚になり、しばらくは何も手につきません。

 

 

自分ではどうしようもないことが出てくる

また、どれだけ自分で頑張っても、どうしようもないことが出てきます。

ゆっくり話して伝えても伝わらない。

分かりやすく図を使って説明しても、すぐに忘れている。

カレンダーを渡して、装置を付けた日に〇をつけようねと言っても、翌月にはそのカレンダーを紛失している。

 

もうどうしたら良い治療結果が得られるんだろうって、しんどくなってしまうことがあります。

みなさんは、こんな経験、ありませんか。

 

 

自分ができることを切り分ける

そんなことが重なっていた時に、とある本を読んで、気持ちが変わるきっかけになりました。

その本には、ざっくりとこんなことが書いてありました。

「自分ができることをした結果、相手がどうするかは相手の自由で、その結果について自分が悩むことはない」

 

なるほどな…と思いました。

自分ができることを伝えて、その後相手がどうするかは相手の自由であると認める。

認めると同時に、相手が自由にしたことで導かれた結論に対して、私が思い悩む必要はない、ということです。

 

最初にこの本を読んだ時は、ずいぶんと冷たい考え方だなと思いました。

情熱を持って相手(私の場合は患者様)と接して、しっかりと良い治療結果を導くまでが私の仕事ではないか、と思ったんです。

 

でも、その気持ちが強すぎて、自分自身の心のバランスが取れなくなっているって、どうなんでしょうか。

自分が一生懸命患者様と向き合って、それに従わないとする決断をしたのは患者様です。

その結果にまで、自分は責任を取る必要があるのでしょうか?ないですよね。

 

 

食べ物で考えてみよう

例えば、食べ物には「消費期限」ってありますよね。

消費期限を過ぎた食べ物は、販売者側が「食べない方が良いですよ」と伝えてくれているわけです。

その消費期限を過ぎた商品を「食べる」か「食べないか」は消費者側が決断します。

 

販売者側の提示した消費期限を無視して食べた消費者が、万が一お腹を壊したとしても、それは消費者の責任です。

私は、消費期限を無視して食べた消費者の腹痛まで、治そうとしているのか?と考えたとき、それはちょっとやりすぎだなと思いました。

 

もし、私が食べ物を作っている人だとしたら、私にできることは「この日までに食べてくださいね。」と伝えるところまでであり、その後購入者がいつどのように食べるかについて悩む必要はないのです。

 

 

仕事でも対人関係でも同じ

お仕事でも、対人関係でも一緒で「こうした方がいいと、私は思うよ」と伝えるところまでは私の仕事です。

ですが、それに対してその通りにするか、その通りにしないかは患者様の自由です。

その自由を認めるとともに、もし私が伝えたとおりにしないのであれば、その結果まで気に病む必要はないんだと思って良いのでは?と考えるようになりました。

 

私はこの考え方を知って、ちょっと心が救われました。

それまでは家に帰ってからも

「●●さんはどうしたら装置を使ってくれるのだろう」

「●●くんには今度こんな言い方をしたら話を聞いてくれるかな」

など、自分を追い込みすぎて、ストレスがすごかったのです。

 

もちろん今も、伝える努力、伝え方の工夫は常に意識しています。

でも、どれだけ心を砕いても、最終的にどうするかは患者様の判断。

その結果に対して、自分を過度にすり減らす必要はないと学びました。

 

 

自分のできることは「伝えるところまで」と考えよう

皆さんの中にも、仕事で、家庭で、同じような悩みを抱く方がいらっしゃるかもしれません。

「もっとちゃんとしてほしい」

「ちゃんとしてくれたら、もっと良い結果が得られるのに、どうしてやらないんだ」

 

そんな気持ちになっている時は、一旦立ち止まって見てください。

「どうしたら良いかを伝えるまでは私の仕事だけど、その後どうするかは私の仕事ではない」

そう分離することで、いくぶんか心は楽になると思います。

 

しんどいな…と思っている方は、ぜひお試しください。

今日もお読みくださり、ありがとうございました!

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