BLOGしょう先生のブログ
先日、徳島県で藍染の体験をしてきました。
久々のモノづくり体験です。上の写真は藍染工房で撮影したものです。
藍染体験の前に、そもそも藍染とはなんぞや?というところから
みっちり1時間の講義を聞いてきました。
その講義によると、藍染というのは
蓼藍(たであい)という植物が原料となっています。
徳島県ではその昔、土壌の状態が米の栽培に向かず
年貢として米を納めることが難しかったそうです。
そこで、徳島県の土壌に合う蓼藍が栽培されはじめたとのこと。
しかしながら戦時中に、食べられない蓼藍を育てることは禁止になりました。
それでも、蓼藍農家さんが、こっそりと山奥で蓼藍を育て
種が途絶えることだけは免れたそうです。
そして戦争後に復活させたものが、今に残っているのだとか。
育てていることが見つかれば、命の保証はなかったであろう時代。
勇気のいる行動ですよね。それだけ藍への気持ちが強かったのでしょう。
そんな勇気をもって復活した蓼藍ですが、またも試練が訪れます。
それは、「インド藍」や「合成藍」の台頭。
今、世の中に出回っている藍染作品の多くは「合成藍」なんだそうです。
文字通り化学的に合成して作られる藍なので、安定した品質で大量生産できてしまいます。
また、インド藍は藍染をするときの手間が蓼藍と異なり、管理も楽なのだとか。
つまり、蓼藍は大量生産できないし、なかなか手がかかる。
だけど、化学構造的には合成藍と同じなので、あえて蓼藍を使う理由を見つけるのが難しい。
これは、難しい問題だな…と思いました。
(お話を聞きながらメモを取っていたわけではないので、間違っている部分があったらごめんなさい。)
(↑藍染工房の猫ちゃんに懐かれました。)
実際に藍染の体験をしてみて
1つの作品を作るのにこんなに手間がかかるのかと驚きました。
私が体験したのは「染める」部分だけですが
蓼藍から藍色を抽出する工程なども考えると
ものすごい時間と、たくさんの人手を必要とします。
お土産屋さんに売っているような藍染商品(おそらく合成藍の商品)の値段では
とても販売できないだろうと思いました。
素敵な伝統工芸品だけれど、それを永く遺していくには何が必要か…
考える問題は多そうです。
今日もお読みくださり、ありがとうございました!!