BLOGしょう先生のブログ
このままなんとなくエデンにいて、なんとなく年をとっていくのかな。
目標も夢もなく、コーラルピンクの中身だけが老いていくのかな。
百貨店で働く朋香は
ただただ日々が過ぎていくことに悩みつつも
動けない女性です。
コーラルピンクの制服を着て婦人服の販売をしているが
やりがいを感じていません。
転職。
そんな言葉がちらりと頭をかすめることが何度かある。でもそれには途方もない労力が必要な気がして、動くパワーが出ない。
そう、私には基本的なパワーがないのだ。今から履歴書を書くのさえ億劫なくらいに。
そんな朋香がお昼休みに唯一話せる同僚の桐山くん。
彼は出版社から転職し、今は百貨店にいます。
どうしてそんな素敵な仕事を辞めたの?と聞いてみると
こんな答えが返ってきます。
作業するこっちはもうへとへと。徹夜あたりまえだし、会社の床に上着敷いて寝たりとか
(中略)
メシ食う時間も全然なくて、体調ガタガタで、栄養ドリンクの空き瓶がそこら中に転がってて。
あるとき、それ見てたら急に、あれ、俺、なんで働いてるんだっけって疑問がわいてさ
食うために働いてるはずなのに、仕事してるせいで食えないなんて、そんなのおかしいと思ったんだ。
最近歯科医師の集まりがありました。
同世代の友人の話を聞いていたのですが
どうもみんな
今の人生に満足していないようです。
満足していない理由は
はっきりとは言わないのですが
要約すると
「家族を幸せにするために働いているはずなのに
時間がなくて家族と過ごせない。」
とか
「美味しいものを食べるために働いているはずなのに
昼食を取る時間もなく働いている。」
とか。
忙しい自慢をしたいのかな?と思うぐらい
いかに忙しいかの話ばかりで
なんだか話していても深みがないのです。
みんなの話を聞いていると
本当にやりたいことを犠牲にして
働いているようす。
歯科医師が集まると
皆が口を揃えて言うのが
「早く仕事をやめたい。」
「はやく引退して、のんびり過ごしたい。」
まさに転職前の桐山くんと同じ。
「俺、なんで働いてるんだっけ。」状態です。
私は、仕事が楽しいです。
もちろん、楽しいことばかりではないですし
仕事で得られる楽しさは
ゲームをするような楽しさとは違います。
「今日は行きたくないなあ」なんて思う日もあります。
でも、早く辞めたいとは
不思議と思っていないんですよね。
患者様の理解が得られるならば
死ぬまでほそぼそと診察を続けているような
歯科医師でありたいと思っています。
そして、スタッフにも
「俺、なんで働いてるんだっけ。」状態には
なってほしくないなと思っています。
では、どうしたらそうならないのか?
この本には、ちょっとだけそのヒントが
書かれています。
転職した桐山君の言葉です。
「だから、まず俺に必要なのは、目の前のことにひたむきに取り組んでいくことなんだと思った。
そうやってるうち、過去のがんばりが思いがけず役に立ったり、いい縁ができたりね。
正直、ZAZに転職して、これから先のことをはっきり決めてるわけじゃないよ。
決めてもそのとおりにいく保障はないし。ただ」そこで一度区切ると、桐山君は静かに言った。
「何が起きるか分からない世の中で、今の自分にできることを今やってるんだ。」
この言葉を聞いた朋香は
さて、どんな行動にでるのでしょうか。
それは、本書を読んでのお楽しみです。
気になる方は、ぜひ手に取ってみてくださいね。
ちなみにこのストーリー
全部で62ページしかありません。
短いストーリーなので
本がちょっと苦手な方も読めると思います。
今日もお読みくださり、ありがとうございました!!