BLOGしょう先生のブログ
おはようございます。今日もお越しくださり、ありがとうございます!
今日は、矯正相談でよくあるご質問について、お答えしたいと思います。
「上の前歯だけ矯正できますか?」
これ、1年で50回ぐらいされる質問なんです。質問TOP3に入るかもしれません。
この質問のお答えは、基本「できない」あるいは「おすすめしない」になります。
上の前歯だけなど、全部の歯ではなく、部分的に矯正をすることを「部分矯正」と言います。
部分矯正は実際に行われていますし、インターネットでも値段が安く書いてありますので目に付きやすいのですが、非常に適応できるケースが少ないのが実態です。
値段を安く書くことで惹きつけられる患者様も多いのですが、部分矯正を期待して相談に行ったら、「それは適応できない」と言われて全体の矯正をすることになったという方が大半だと思います。
つまり、スーパーのチラシの「卵大特価!!」に魅せられて店に行ってみたけど、すでにもう売り切れていて、結局普通の値段の食材買ってきちゃったわ…というのと同じなんですよね。
インターネットにおいて、部分矯正は、その医院に行くきっかけ作りとして利用されているような節があります。ネット広告には気を付けてくださいね。
部分矯正がおすすめできない理由
いろいろな説明方法があるのですが、今日はちょっと変わった方法で説明してみたいと思います。
皆さんは、家庭科の授業で針に糸を通したことはありますか?
細い針穴に糸を通すとき、皆さんはどうやって糸を通しますでしょうか。
おそらく、右利きの方であれば、右手に糸を持ち、左手に針をもって、そっと両側から近づけていくと思います。
そして、ちょっと高さを調節してみたり、前後を調節してみたりして、針穴に通していきますよね。
皆さんの中で、糸だけ持って、針は持たない!って方はいらっしゃいますでしょうか。
針は針山に刺したままで、右手に全神経を集中させて糸を通します!という方がいらっしゃいましたら、家庭科の人間国宝さんステッカーを差し上げたいと思います(勝手に)。
細かい作業をするときに、右手と左手で、高さや奥行きを合わせていくのと同じで、矯正も上の歯と下の歯を合わせていきます。
その際に、上の歯だけを動かして上下の歯並びを整えていくのは、至難の業となります。
上の歯並びだけ治しても、結果上下が噛まない、ということになってしまうわけです。
針と糸の関係を書きましたが、口の中も、髪の毛1本入ったら気づくような、非常に繊細な器官です。
それをよりよくしていくためには、ほとんどの場合、上下の矯正をしていく必要があると言えます。
稀に適応できる方もいます
ただし、年間で1名から3名程度、部分矯正が適応できる方もいらっしゃいます。
私は年間で80名から100名ほどの新規患者様の相談を受けていましたので、体感で1%ほどでしょうか。
本当にその部分のゆがみだけで、他は問題がないという方も稀にいらっしゃいます。
そういった方には、価格も抑えられますし、よい治療方法であると思います。
ですが、基本的には皆さんに適応できるものではないとお考えいただきたいです。
それでも…と粘る患者様に共通する結果
私が、部分矯正はおすすめではないですよ、とお伝えする理由がもう1つあります。
どうしても部分矯正が良い、とおっしゃって、私が全体的な矯正を説明し、おすすめしたにも関わらず、是が非でも部分矯正でとおっしゃる方もいらっしゃいます。
部分矯正の適応ではないのに、部分矯正を希望される方です。
最後に選ぶのは患者様ですから、ご希望に沿って部分矯正をするのですが、そういった皆様が矯正後、最後に必ず言うことがあります。
「この部分って…治らないんですよね?」
この言葉を聞いたとき、「だから言ったのに…」と思ってしまいます。
皆様矯正を始められたときは、ご自身が一番気になったところに意識が集中しているのですが、矯正でその部分が治ると、他の部分が気になってしまうんです。
でも、部分矯正では次の部分は治らないわけです。
ですので、本当に矯正の歯科医師ができると判断した方以外は、全体的な矯正をした方が良いと思います。
矯正相談で聞いてみるのがおすすめ
みなさんも部分矯正ができるのか、気になる場合は矯正相談で聞かれるのが良いと思います。
そして、もしそこで全体の矯正をお勧めされたら、そこは従った方が良いと思います。
自分で診断をして、部分矯正を強引に選んでしまうと、あとで絶対後悔しますので、そこはプロに判断をお任せください。
今日もお読みくださり、ありがとうございました!!