BLOGしょう先生のブログ

分かりやすく伝えるために気を付けている5つのポイント

おはようございます。今日もお越しくださり、ありがとうございます。

昨日は、患者様が矯正相談へ行くときに気を付けるポイントを書きました。では、矯正医側はどんなことに気を付けているのか?について、綴りたいと思います。

【昨日の記事】分かりやすい矯正相談を受けるための4つのポイント

 

 

しょう先生は聞き上手

私は小学生のころから、人に悩み相談をされることが多くありました。なぜかは分かりません。

私と話していると、人には言えないことが言えたり、絶対言わないでおこうと思っていたことを、つい話してしまったりするそうです。

そういった経験を経て、私は聞き上手なんだ、と思うようになりました。

それほど寡黙なタイプではなく、結構よくしゃべるのですが。でも、人の話を聞くときに気を付けていることはあります。

今日は、私が人の話を聞く「矯正相談」を実施する際に気を付けているポイントを5つ、ご紹介したいと思います。

 

 

患者様が何を望んでいるのかを聞く

「矯正相談」には、相談という2文字が入っています。

相談するのは誰なのでしょうか?

相談の原点に立ち返ると、「患者様」が「歯科医師」に相談するんですよね。つまり、歯科医師が悩みを聞く場であるということです。

ですので、まずは何をお悩みなのか、できるだけ丁寧にヒアリングするよう心がけています。

 

「いや、そんなこと当たり前やろ」って思われた方もいらっしゃるかもしれません。

そうなんです、当たり前なんです。

でも、その当たり前がめちゃくちゃ難しいんです。理由は2つあります。

 

まず、初対面で悩みを打ち明けるのは難しいということ。

友達としての付き合いが長い友人であっても、悩みを相談するのはなかなか難しいですよね。

それを、初対面の2メートルあるんじゃないかと(ないですけど)目を疑うようなでっかい先生に、おいそれと相談できる人は非常に少ないんです。

少しでもリラックスしてもらおうと思って、ちょっとだけ雑談を挟んだりしますが、

「はあ。」「そうですね。」みたいなそっけないお返事で撃沈してしまうこともしばしばです。

 

もう一つの理由は、患者様自身が何を悩んでいるのか、言葉にするのが非常に難しいということ。

「歯並びが気になります」と言われても、詳しくお話を聞いてみると、「前歯がガタガタで、歯と歯の間に食べ物が詰まって歯磨きがすごくしづらいんです」という方もいれば「前歯がガタガタで、口を閉じづらいので唇が渇いて歯に引っ付くんです」という方もいらっしゃいますし、「前歯がガタガタで、自分の横顔を見ると口元が出っ張っているような感じで、なんか見た目が嫌なんですよね…」という方もいらっしゃいます。

ただ、最初から明確にこの違いを聞き出せることは本当に稀なので、少しずつ少しずつお話を深めていき、お話の中で聞き取れるよう心がけています。

 

さらに、お子さんの矯正の場合ですと、お母さまが望んでいることと、お子さんが望んでいることが違う場合があります。

矯正相談に来てはいるものの、小学生のご本人は矯正をしたくないということもあります。

逆に高校生などで、本人はすごく気にしているけれども、親御さんはできれば矯正をしたくないと思っておられる方などもいらっしゃいます。

そういったさまざまな心の声をできるだけ拾えるように、気を付けています。

 

 

専門用語を使わない

これもまた当たり前のことではあるのですが、歯科用語を使いすぎないように気を付けています。

歯科医師は「上顎」と書いて「じょうがく」と呼びます。

でも、患者様には「うわあご」と説明するようにします。

これで十分と思いきや、「うわあご」自体が何か分からない方もいらっしゃいます。

私たちは「うわあご」と言った時点で専門用語ではないと思い込みがちなのですが、少しかみ砕いてもまだ専門性が高いということがよくあります。そのあたり、気を付けて対応するようにしています。

 

 

都度理解しているか確認する

お友達の悩み相談を聞くことと、患者様からの矯正相談を聞くことの大きな違いの1つに、「制限時間」があります。

友達の悩み相談はゆっくりと聞くことができますが、患者様からの矯正相談は45分で終わらなければなりません。

次の患者様が来られるからです。

そして、その45分の間に話さなければならないことが山ほどあります。

だけど、それでも患者様の声を「聞くこと」がとても大切で、私が一方的にしゃべってしまっては意味がありません。

そんなことを考えていると、時間がせっぱつまって、説明が駆け足になってしまいそうなことがしばしばあります。

でも、急いでしゃべってもラジオみたいになってしまうので、ところどころで話を止め、ご理解いただけたか確認するようにしています。

 

 

説明したことを何度も聞かれても我慢する

実はこれ、私が最も苦手なことなのです。

一生懸命説明したのに、その直後に全く同じことを質問してくるお母さまって時々いらっしゃるんですね。

「え?僕の話聞いてました?」って思ってしまうんです…。

でも、ぐっと我慢するように心がけています。

それまでの私の説明が分かりにくかったのかな、とか、もっと早く区切って質問を受け付けた方が良かったかな、自分の説明方法に非がなかったかな、などと後から確認するようにしています。

 

でも、ここだけで、こっそり言わせてください。

それ、さっき言ったでしょ。絶対ちゃんと聞いてなかったでしょ。

…共感ありがとうございます。心が癒されました。

 

 

無理やり矯正を押し付けない

私たちは歯科の教育を受けているので、矯正した方が良い患者様かどうかは分かります。

当然、必要のない患者様にはお勧めしません。

 

裏を返せば、矯正が必要だから、治療をお勧めしているのです。

 

でも、患者様の中には、「学校検診で矯正が必要という紙をもらったから来たけど、それほどするつもりはない」という方もいらっしゃいます。

私はそういった方に、無理やり矯正を押し付けないようにしています。

矯正をなぜしなければならないのか、それを知識としてお持ち帰りいただくよう心がけています。

私が過去に勤めていた病院の先生の中に、めちゃくちゃチャラい先生がいました。

「えーいいじゃん、矯正やったほうがいいよー絶対きれいになるよー」と説得して、なんとなく矯正治療を実施している先生がいましたが、私はそれはちょっと違うかな、と思っています。

もっと納得して、始めていただきたいです。

 

 

意外といろいろ考えてます

いかがでしたでしょうか。私がこんなことに気を付けています。という内容をまとめてみました。

矯正相談は短い時間ですが、矯正相談ではものすごく頭を使うので、終わった後は放心状態になることもあります。

いろんなことを考えてるんだな…と知っていただけると嬉しいです。

 

 

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