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第5回【あまり知らない】矯正の衛生士はどんなことをするの?【衛生士向け講座】

おはようございます。毎朝7時に更新中のしょう先生のブログへ今日もお越しくださり、ありがとうございます。

今日は、衛生士向け講座です。

特に歯科衛生士の資格を取る前の、衛生士学校へ通っている方へ向けての記事となっていますが、衛生士の世界を知らない方にもお楽しみいただけるかと思います。

それでは、始めていきましょう!

 

 

矯正歯科の衛生士はあまり知られていない

みなさんは、歯科衛生士がどんなお仕事をしているか、ご存じですか。

多くの方にとって衛生士とは、歯のクリーニングをする人、歯石を取ってくれる人、というイメージかと思います。

でもそれは、矯正歯科ではなく、一般歯科で働く歯科衛生士さんの主なお仕事になります。

矯正歯科と一般歯科では、歯科衛生士に任せられる役割が少し異なります。

そして、歯科衛生士学校に通う学生さんも、矯正歯科に勤める歯科衛生士のお仕事をあまり知らないことが多いのです。

 

 

矯正歯科の衛生士は洗い物をするだけ?

以前、矯正歯科で勤める歯科衛生士さんからこんな話を聞きました。

「私は矯正歯科に興味があって歯科衛生士になったので、矯正歯科に就職したんですけど、同期の歯科衛生士には結構いろんなことを言われたんです。矯正歯科の衛生士ってさ、洗い物するだけちゃうの?とか、アシスト(診療の時に横に立って補助をする)だけでしょ?とか。全然みんな矯正歯科の衛生士業務のこと、知らないんですよね…。」

そうなんです、実際に矯正歯科で働いたことのない衛生士さんは、本当に矯正歯科の歯科衛生士がどんなことをしているか知らないし、むしろ「何もしていない」ぐらいのイメージを持たれているんです。

 

 

実際にする仕事はいろいろあります

矯正歯科の衛生士は、いろいろなことをします。今日は、いくつかご紹介します。

 

 

お口の中を触る業務

・全体の清掃および歯磨き指導

これは、一般歯科と同じです。私は、お口の中を歯科衛生士がきれいにする、というよりは、お家でもきれいにできるように、お口の中をきれいにする方法を教えることに重点を置いています。

装置が付いている期間は虫歯のリスクが高いので、その磨き方を教えます。また矯正は子どもが多いので、子どもたちが自分で磨けるように、ワンポイントアドバイスをしたりします。お子さんだけで難しい場合は、保護者の方にも説明をして、仕上げ磨きを促します。

・針金の交換

矯正治療と言えば針金のイメージかと思います。その針金を交換するのも歯科衛生士のお仕事になります。

針金を変えるか、変えないかを判断したり、どの種類の針金に変えるかを考えるのは歯科医師の仕事になりますが、その指示のもと針金を交換するのは主に歯科衛生士が行います。ただし、針金を複雑に曲げなければいけない場合などはまた別です。

・バンドのサイズ合わせ

バンドとは、矯正時に歯につける指輪のようなもので、金属の輪です。靴と一緒で歯にもサイズがあるので、適切なものを合わせていきます。

医院によっては歯科医師しかサイズ合わせをしてはいけない医院もありますが、基本的には歯科衛生士がしているところが多いように思います。

・口腔筋機能療法

英語ではMFTと言います。口周りの筋肉の筋トレです。歯並びをきれいにしても、後戻りが生じてしまうことがあるのですが、その原因の一つとして、口周りの筋肉が原因と考えられています。

口周りの筋肉を整えることで、矯正治療後も安定した歯並びをめざします。スポーツジムと一緒で、なかなかモチベーションが上がらない子もいるので、うまくモチベーションを高めるテクニックが必要になります。

・装置の取りはずし練習、装置の説明

装置を初めて付けた日には、装置の取り外しを練習したり、装置のお手入れ方法や装置を取り扱う上での注意事項を説明します。注意事項はたくさんあるので、お母さまに分かりやすく説明することが大切です。

・検査

矯正を開始するにあたって、お口の中のレントゲンを撮影したり、歯型を取ったりします。

検査を受けられる患者様は矯正治療をこれから始めるという方なので、医院にも慣れておらず、緊張しておられます。緊張をほぐしながら、楽しく検査を進めていく話術も求められます。

 

 

お口の中を触らない業務

・レントゲンや模型の分析

これは歯科医院によって衛生士がしているところと、そうでないところがあります。私はしてもらっていませんが、分析を任せている医院は結構多いようです。

分析とは、歯の大きさを測ったり、レントゲンに写っている骨の大きさを測定したり角度を測ったりします。分析をするためには基礎知識が必要となりますので、まずはそこから勉強しなければなりません。

・資料整理

検査で撮影した写真を管理します。矯正歯科ではたくさん資料を取るので、その都度整理をしていかないと、資料が膨大な量になります。

こまめに資料を整理できる先生は少ないので(なぜでしょうか笑)代わりに衛生士が整理をしている医院は多いです。当院では私がしています。

・器具の消毒滅菌/受付/掃除その他

これらは一般歯科と同じですね。在庫管理などその他業務もあります。

 

 

やりがいのある仕事だと思います

いかがでしたでしょうか。

矯正歯科の衛生士は立っているだけ…ではないこと、ご理解いただけたかと思います。

 

矯正歯科では歯を削る、歯ぐきを切るといった処置がほとんどないので、衛生士ができる業務の幅が非常に広くなっています。

また、患者様とのお付き合いが長いので、毎月同じ患者様と合って一緒に成長していくことができます。

とってもやりがいのあるお仕事だと思いますので、興味のある方は、ぜひ矯正歯科へ見学に行っていただきたいと思います。

 

 

今日もお読みくださり、ありがとうございました!

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