BLOGしょう先生のブログ
おはようございます。冬は寒いですが、空がきれいですよね!
とてもきれいな空が撮影できて、心も明るいです。
さて、今日は前回の続きを書きたいと思います。
【前回記事】インプットとアウトプットの使い分け(前編)【衛生士向け講座】
目次
若手衛生士もやがて中堅・ベテラン衛生士に
前回の記事で、新入社員はインプットが大切、とお伝えしました。
そして経験を積み、中堅からベテランになってくると、インプットだけでは仕事をしづらくなります。
それは、若手が入ってくることにより、「教育者」としての一面も担う必要が出てくるからです。
学んだことを「伝える」仕事
今まではひたすら言われたことを学び、覚える(インプットする)ことが仕事でしたが、下の子が入ってきたら「学ばせる」「覚えさせる」という業務が増えてきます。
これが今までと異なるため、「しんどい」と感じる人が増えます。
院長先生や先輩衛生士など、「教える」ことをたくさん経験しているスタッフからしてみれば、「あなたのことも私が(あるいは上司が)教えたんだから、今度はあなたが後輩に教える番ですよ」と思っています。
しかし、教えることに慣れていない衛生士の場合、それが苦痛となります。
「後輩に教えるより、自分でやった方が早い…」そう思ってしまう人も少なくありません。
あなたは一生そこで同じ役割を果たせますか?
たしかに、ここ数ヶ月、あるいはここ数年の短期的な目線で考えると、新人衛生士に教えるより、あなた自身がやってしまった方が早いかもしれません。
でも、ちょっと長い目で考えてみましょう。
あなたは1年後、その職場にいますか?
3年後はどうでしょう。
5年後、10年後は?
そうなんです。
歯科医院は特別なことがない限り、なくなることがありません。
しかし皆さん自身は、ライフスタイルの変化によって職場を離れたり、働き方が変わったりするのです。
ずっと働くつもりでも、体調を崩してしまうことだってあるかもしれませんね。
ですから、新しい人にも、きちんとアウトプット(教育)をしなければなりません。
それも仕事のうちなのです。
教育することも、与えられた仕事
みなさんの中で、新入社員の時に「私、歯石取りません!」とか、「私、掃除しません!」って言ったことがある方はいらっしゃいますか。
たぶん、いないと思います。
そんなことを言ったら、クビですよね。
与えられた職務として、みなさんが当然のことと考え、学び、できるように努力します。
しかしながら、そうやって一生懸命勉強してきた人でも、教えることをお願いすると、断る人がいます。
これはなぜでしょうか。
教育を断れる理由その1
理由は2つあります。
1つは、すでにできることがあるから。
新人の時は何もできませんから、できることがないため、何がなんでも頑張らなきゃ、となります。
でも、ベテランになってくると、たくさんできることがあります。
だから自信をもって、「それ、やりたくない」と言えてしまうのです。
教育だけではありません
私が前職で特に感じたのが、パソコンを使う雑務に関して。
「私、パソコン苦手なので…」というスタッフは多いです。
別に苦手なことは悪いことだとは思いません。
誰でも得手不得手がありますので、苦手なのは仕方がないでしょう。
でも、新人さんはそれでもパソコンと向き合って、与えられた書類を仕上げてきます。
一方で、ある程度経験を積んでいる衛生士で、パソコンが苦手な人は、パソコンに向き合いません。
苦手だから、手書きで書類を完成させてきます。
そして、私がそれを電子化します。
パソコンにチャレンジした人と、パソコンに向き合うことをやめた人。
3年後、2人はどうなっていると思いますか。
あなたがパソコンが苦手なのは、今まで向き合うことを避けてきたから、苦手なのではないですか?
と、私は思います。
パソコンは大切なツール
余談ですが、パソコン苦手って言うお気持ち、すごく分かります。
パソコンが得意って言えるのは、システムエンジニアとか、プログラマーとかのレベルだと思うんですね。
あるいは、ハッカーとか。
世の中の大半の人は、パソコンが得意じゃないと思います。
得意じゃないけど、触れる、というレベル。
私だって、何かプログラミングができるわけでもなく、得意という意識はありません。
でも、分からないことは自分で調べて、それなりに乗り越えてきました。
パソコンって、調べるツールでもあると思うんです。
それを、苦手という理由で触らなければ、分からないことを調べる能力がつかない。
令和の時代に、「パソコンが苦手なんです」と言えてしまうということは、つまり、「私は自分で調べず、なんでも分からないことは人に聞いて生きています」と言っているに等しいのではないかと。
そこがものすごい重大な問題ではないかなと思います。
教育を断れる理由その2
もう1つの理由は、その医院自体が教育を重要視していないから、です。
みなさんは、職場を選ぶ時に、どうやって選びましたか?
高い給料?たくさん勉強できる環境?
例えば、高い給料で選んだとしたら。
そこは、なぜ高い給料が出せるのでしょうか?
ここでは、あなたが院長先生になった気分で考えてみましょうか。
あなたの医院では、スタッフの急な退職が相次ぎました。
来月には新しい人が来てくれないと、患者様が見きれません。
どうしたら衛生士が来てくれるでしょうか?
あなた「高い給料を提示して、とにかくきてもらおう!」
そう考えて、高い給与を提示したところ、1人の新人歯科衛生士が入ってくれました。
その人はすぐに現場に出てもらわないといけないわけです。
来月には医院がパンクします。
新人さんは、まだ何にもできません。
でも、人手が足りていないので、教える人もいません。
そこで経営者のあなたは叫びます。
「とにかく早く研修を終わらせて!」
「早く現場に出て!」
「いつ研修終わるの?まだ?」
急かされた結果、研修を繰り上げて現場に出されて…
何も分からないけど、とりあえず働いて。
最初は頑張っていた新人さんですが、ある時気づくのです。
なんか…死ぬほど忙しい。
でも、何も学びがない。
そして、1人、また1人と辞めていく。
その状況に気づいた新人さんは、自らも辞める決意をしました。
あなたはどうしましょうか…
悩んでも結論の出なかったあなたは、また給料をあげて新しい人を雇おうとしています。
いかがでしょうか。
経営者になったあなたが、教育に全く目が向いていないこと、お気づきでしたでしょうか。
このような職場であれば、あまり教育が重要視されていないので、断りやすかったり、なんとなく教育しているふりをしておけば、乗り越えられてしまったりするのです。
当然、その後輩たちは、学べることが非常に少なくなるのですが、先輩にとってはそれは知ったことではありません。
インプットとアウトプットのバランスシフト
いかがでしたでしょうか。
入社当初はインプットが多く、経験を積むにつれてアウトプットの重みが増してきます。
しかし、インプットばかりの状況に慣れていると、アウトプットへのバランスシフト(移行)が辛く、しんどくなってしまう方がいらっしゃいます。
なんとなくしんどい、とか、昔の方が楽しかった、と思う方は、インプットとアウトプットの観点から、以前との変化を考えられるのも良いかもしれません。
アウトプットが0だったわけじゃない
もちろん、若手時代もアウトプットが0だったわけではありません。
診療でアウトプットはしているはずです。
上司からインプットした(学んだ)ことを、患者さんにアウトプットする(伝える)ことで、バランスを保っていました。
中堅、ベテランになると、その時のバランスよりも、うんとアウトプットが多くなるわけですね。
その変化にうまく順応できないと、しんどくなってしまうわけです。
バランスを保つために、どうすべきか考えよう
中堅、あるいはベテランになって、アウトプットの量が多くて疲れてきたら、どうすべきでしょうか。
1つは、インプットを増やす。
勉強会に行くと、モチベーションが上がる方もいるかと思います。
それは、発表者の熱意に触発されるという側面もあると思いますが、インプット量が増えることで、アウトプットとのバランスが取れるとも言えます。
まだご自身のキャパシティーに余力のある方には、おすすめの方法です。
もう1つは、アウトプットを減らす。
これはつまり、自分の仕事を減らすということです。
実は、これが苦手な中間管理職が多いのではないかと思っています。
「仕事を減らしてください」とお願いするのも、自分の意思表示、すなわちアウトプットなんです。
アウトプットに疲れている人は、「あーしんどいけど、もう自分でやるわ…」とか、「いちいち何か言っても無駄やし、自分でやってしまおう」という思考になりがちです。
最悪の場合、何も言わずやらないで、「上司が忘れるのを待つ」という人として最低な選択肢を選んでしまう可能性もあります。
上司からの指令をインプットするだけして、アウトプットしなければ、組織は機能しません。
こうなると、中堅、ベテランとしてはアウトです。あなたは中間管理職にはならない方が良いでしょう。
適切なインプットとアウトプットで、バランスを保とう
人は、インプットとアウトプットのバランスが大切です。
今の自分が、バランスが取れているのか、よく考えてみましょう。
自分の置かれている立場を見直し、どちらかが多すぎる場合は減らすなどの工夫をして、バランスを保つようにしましょう。
今日もお読みくださり、ありがとうございました!