BLOGしょう先生のブログ

第81回【健康って大事】失って初めて分かるもの【矯正コラム】

おはようございます。今日もお越しくださり、ありがとうございます。

 

先日、横断歩道でものすごく体を傾けながらヨタヨタと歩くおばあちゃんを見かけました。

信号が変わるまでに渡れるかな?とちょっと心配になるぐらいのスピードでした。

おばあちゃんの姿を見て、私は数年前の自分を思い出していました。

 

雨がしとしと降る、寒い日でした。

私は大学生で、テニスの試合に出ていました。

思いっきりバックハンドを打ったときに、腰にするどい電流が流れました。

 

試合はそのまま棄権したか、最後までやり切ったのか、よく覚えていません。

すぐに帰ろうとしたのですが、足が思うように前に進みません。

ようやく電車まではたどり着いたのですが、電車の車内で気を失いました。

 

整形外科での診断は、椎間板ヘルニア。

整形外科の先生は痛がる私の脚を楽しそうに上げ下げして、やっちゃったねーと嬉しそうに笑っていました。

レントゲンと問診、触診だけ。

手術をするほどではないと、目も合わせずに私を返しました。

 

あの時もっとちゃんと調べてくれたら、もっと丁寧に診てくれたら、20年近く悩み続ける必要はなかったのではないか?とも思っています。

もうあそこには2度といかない、と思いました。

 

それ以来、テニスで100%のプレーをすることはできなくなりました。

日常生活にも支障が出ました。

ある日は朝起きたら動けなかったり、またある日はくしゃみをしただけで激痛が走ったり。

年に1.2回、しばらく動けない週ができました。

 

初めて腰を痛めた後から、何件か整形外科にも行きました。が、なかなかこれという治療には出会えませんでした。

 

あるところでは「牽引」をしました。

機械に寝転ぶと、上下に引っ張られる機械です。

ジーと音がして、引っ張られるたびに痛みが増しました。

終わった時には、そのイスから降りるのも辛いぐらいでした。

痛いと訴えても、そのうち良くなるからと言われ、2ヶ月ぐらい通ったところで通院しなくなりました。

 

なぜなら、医師はその場に同席しておらず、私が機械の激痛で痛みに苦しんでいるのを見ていなかったからです。

看護師なのか、助手なのか分からない人が、患者さんを次から次へ、いろいろな機械でぐるぐる回すだけなのです。

いかに手際良く患者さんを回せるかが、彼女たちの最優先事項であり、手早く回せることが誇りであるように見えました。

 

腰痛は年々悪化し、とうとう全く歩けない日がやってきました。

自分の部屋からトイレまで行くのに、10分以上かかるような日々です。

しかし、仕事には行かなければなりません。

毎日タクシーで通勤しました。

タクシーの運転手さんには事情を説明して、後部座席で横になって出勤しました。

本当に辛い日々でした。

 

100メートルも歩くと、体が言うことを聞かなくなります。

少し座って休めば、じきに回復するのですが、また歩き始めるとズキズキと。

姿勢もおじいさんそのものです。

 

若い人たちに次々と抜かされました。

若い人だけでなく、同じぐらいの年齢の人や、ご高齢の方にも抜かされながら、どこかに椅子はないかと必死に足を進める自分自身が、とても惨めでした。

 

幸い今は、トレーナーさんなど良い人たちに恵まれました。

腰痛も最悪な時期と比較すれば劇的に改善し、テニスも100%ではないものの、楽しめるようになっています。

 

腰痛って、なったことのない人にはその辛さが分からないんですよね。

私自身も、自分が腰を痛めるまでは、その辛さが全然分かりませんでした。

街でも、よちよち歩く人を見て、「早く歩けば良いのに」「気合で背中伸ばせば良いのに」ぐらいに軽く思っていました。

でも、実際になってみたら、想像を絶する痛みがあるんです。

接骨院の先生も、ヘルニアで鬱になる人は多いって言ってました。

何をするにも痛みを伴うので、テンションが下がってしまうんです。

でも、経験していないと「気合いが足りない」ぐらいに見えてしまうんですね。

 

歯の悩みも同じではないかと思います。

私たち歯科医師がいくら

「歯医者に行きましょう」

「予防が大切です」

「定期検診を受けてね」

「歯ブラシをしてね」

「フロスをしてね」

と言っても、やらない人がたくさんいます。

 

それは、今の自分がしなくても、困らないことだからです。

でも、将来に、困る時がきます。

「おじいちゃん、お口くさい」

と言われるかもしれません。

歯が抜けたところが気になって、写真で笑えないかもしれません。

おいしくお食事が楽しめないかもしれません。

 

でも、全部未来のことです。

だから、なんとなく先延ばし。

本当に、もったいないことだと思います。

 

ここまで文章を読んでくださる方なら、少なくとも、歯に関して全く意識がない方ではないはずです。

ぜひ、あと1歩を踏み出すだけ。

歯医者の予約をしましょう。

その1歩が未来のあなたの笑顔を守ることに繋がると、私は信じています。

 

今日もお読みくださり、ありがとうございました!

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