BLOGしょう先生のブログ
おはようございます。今日もお越しくださり、ありがとうございます。
桜が咲き始めました。まだまだ寒いですが、春はもうすぐ、といったところでしょうか。
さて、今日は先週末の記事の続きで、仕上げ磨きについてお話したいと思います。
先週の記事はこちらです。
【関連記事】第95回【永遠に?】何歳まで仕上げ磨きをしたら良いの?【矯正コラム】
※本日の記事には、1枚お口の中のアップ写真があります。
お口の中の写真が苦手な方は、ご注意ください。
仕上げ磨きの意味は3つ
仕上げ磨きとは、親御さんがお子さんの歯磨きの後に、仕上げをすることですが、大きく3つの意味があると私は考えます。
・虫歯予防:その日の磨き残しを取ってあげることで、虫歯を予防すること。
・技術向上:歯磨きの正しいやり方を体感して体で覚えること。
・習慣化:歯磨きを習慣とすること。
まず、一番初めの虫歯予防は、みなさんがイメージしやすいものではないかと思います。
ただ、それだけではないんですね。
これから大きくなって、自分で正しい歯磨きができるようにならなければなりません。
正しい歯磨きは「技術×習慣」が大切です。
どんなに上手な歯磨きであっても、1週間に1回しかしなければ意味がないですし
下手な歯磨きを毎日しても、これまた意味がありません。
とはいえ、親御さんも大変
「いやいや、仕上げ磨きが大切なのは、言われなくても分かってるけどさ、そんな熱心にする時間ないよ~」
「うちにはまだ2歳の下の子がいるんですよ。お兄ちゃんの仕上げに集中してられないんです。」
なーんて声も聞こえてきそうですね。
そんな忙しい親御さんのために、ちょっとした時短テクニックをご紹介したいと思います。
「染色剤」を使おう!!
仕上げ磨きを「効率的に」するには、これ以上のものはありません。
歯の磨き残しに色をつける「染色剤」です。
これは、さまざまなタイプがありますが、当院には
・商品に付属の計量カップに入れる
・ブクブクうがいをする
・ぺっと吐き出す
と、磨き残しに色が付くタイプをご用意しています。
実際に色をつけると、こんな感じになります。
この染色剤はうがいをするタイプではなく、綿棒で歯に付けるタイプのものを使用しています。
上の前歯だけ色をつけています。
下の前歯を見ると、それほど汚れていないように見えませんか?
でも、実際は上の歯を見てお分かりの通り、こんな感じでベッタリと汚れが残っています。
この状態のままほったらかしって思うと…怖いですよね。
こうやって染色剤を使って歯の色を染めると、仕上げ磨きの効率がぐーんと上がります。
色が取れたら終わりなので、分かりやすいんです。
また、さらに時間を節約したい方は、お子さんが自分で磨く前に、染色をさせるのも効果的です。
先に色を付けておくことで、お子さんが自分である程度時間をかけて、きれいにしてきてくれます。
そうすると、お母さんは残りの部分を取るだけで良くなるので、時間短縮になりますよ。
ただし、注意点があります。
この染色液、シンクに付いたまま放置するとシンクがちょっと赤くなったりします。
お洋服にも付くリスクがあるので、パジャマなど汚れても良い服で実施し、シンクは早めにお水で流すようにしてくださいね。
さらにワンランクアップ
染色剤での歯磨きに慣れてきたら、お母さまが仕上げをしなくても、かなりの汚れが取れるようになると思います。
そうなったら、次は「フロス」に取り組みましょう!
私は、このフロスの普及が今の歯科で最も大切なものではないか?と思うぐらいで…
歯と歯の間って、みなさんが思っておられる量の何倍も、汚れがたまっています。
お子さんでも、「歯と歯の間」の虫歯は非常に多発しています。
これは、仕上げ磨きを歯ブラシで頑張っても、防ぐことが難しいです。
なぜなら、歯と歯の間には、歯ブラシが届かないからです。
ですので、ぜひ、仕上げ磨きではフロスをしていただきたいと思います。
習慣化の力は大きい
「もー、先生全然分かってないね。歯ブラシだけでも大変やのに、フロスとか絶対無理やわ。」
そう思われますよね…
でもここで、ちょっと脳をリセットしてほしいんです。
もし、皆さんが生まれたときに「歯ブラシ」というものが存在していなくて、「歯磨き」という行為自体がなかったとしましょう。
そして、ある日突然「歯ブラシ」を使って「歯磨き」をしてください、と言われたら、どんな気持ちになると思いますか?
「いやいや、歯磨きなんて、めんどくさいし、そんな時間ないわ~」って思うはずなんです。
でも、そんな歯磨きを、みなさんは今、当たり前にしていますよね。
むしろ、「俺、生まれてこのかた歯磨きしたことがない。」って言うおじさんがいたら「うわー、汚っ」って思いませんか。
フロスは時間がないと言ってやらないのに、歯磨きはやらない人を軽蔑する。
その違いってなんでしょうか?
これは、幼少期からの習慣に他なりません。
みなさんは、小さいころから歯ブラシをしているので、それが当たり前になっているだけです。
ということは、ちょっと見方を変えれば、幼少期からフロスをすることが当たり前であれば、大人になってもフロスをする、ということです。
これって、すごく大きなことだと思いませんか?
みなさんが当たり前のように歯ブラシをするのと同じく、お子さんは当たり前のようにフロスをする。
フロスが習慣化されると、歯の健康は大きく向上します。
そういう習慣を身に着けさせることができるのは、私たち歯科医師ではなく、お母さん、お父さんなのです。
ぜひ、仕上げ磨きの時にフロスをしてあげてください。
それが習慣化したら、お子さんはきっと、健康な歯を長く使うことができます。
今すぐには分からないことですが、お父さんとお母さんから、健康な歯のプレゼントする。
これってすごく素敵なプレゼントだと思いませんか?
ぜひ一度、仕上げ磨きについて、考えてみてくださいね。
今日もお読みくださり、ありがとうございました!
染色剤についてはこちらの記事でも取り上げています。
【関連記事】第34回【簡単】歯磨き技術を向上させるグッズ【矯正コラム】
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