BLOGしょう先生のブログ
こんにちは!今日もお越しくださり、ありがとうございます。
矯正治療では、上下の歯ならび全体を治す治療と、一部分だけを治す治療があります。
私たちは一部分を治す治療を部分矯正と呼んでいます。
部分矯正にもさまざまなタイプがあるのですが、患者様からの希望としては、「前歯だけをちょこっと治してほしい」と来られる方が多いです。
患者様が希望された部分矯正をした後に、ほぼ100%言われることがあります。
「この奥歯って、治りませんか?」
部分矯正を希望される方の2パターン
部分矯正を希望される方は、2つのパターンに分かれます。
1)できるだけ費用を抑えたい
部分矯正は、全体の矯正と比べて、かなり費用が安くなることが多いです。
それはなぜかというと、治療に限界があるからです。
部分的に矯正をすると、歯を並べることはできるのですが、上下のかみ合わせを調整することはできません。
本当に、「並べるだけ」になります。
そのため、期間も短いですし、費用も安くなる傾向にあります。
ただ、患者様は治療を始めると、どんどんお口の中に関心が向いていきます。
鏡を見る回数が増えたり、「食べ物を咬む」ということについて考えることが多くなるんです。
そして、治療が終わる頃には、ものすごく歯に対する意識が高くなっているんです。
その結果、治療後に「奥歯って、治りませんか?」と言われることになります。
2)とりあえず奥歯とか良いから、気になっているところだけ治してくれたら良い
私たちがどれだけ機能的なことを説明しても、「今、気になっているのは前歯だから、前歯だけを素早く治してくれたらいいんだよ。」と言われることも多々あります。
ただ、このタイプの方たちも、治療が進むにつれて、気になるところが変わってくるんです。
そして、治療が終わったときには「今、気になっているのは奥歯なんだよ」とおっしゃるわけです。
未来を見据えてのアドバイスは、なかなか伝わらない
私たち矯正歯科に従事する人間は、たくさんこのような部分矯正の結果を見てきました。
だから、全体的に治療をした方が良い方には、必ずその旨をお伝えします。
ただ、皆様にとっては初めてのこと。
なかなか私たちの経験談をお話しても、伝わらないことが多くあります。
矯正治療は医療行為なので、最終的に決められるのは患者様です。
部分矯正で得られる結果について、しっかりと説明をしても、やはり部分矯正でと言われる方はいらっしゃいます。
私も、そこまでおっしゃるなら、部分矯正でできる限りのことをしてさしあげようと頑張ります。
でもやっぱり、治療が終わったときに「奥歯も治りませんか?」と言われてしまうのです。
その時のむなしさは、なかなか筆舌に表せないものがあります。
夏休みに入って「宿題早めにしなさいよ」と伝えたのに、なかなかやらず、最終日に泣く子を見て、「だから早めにしなさいと言ったのに…」と思うむなしい気持ち、ありませんか。
そんな感じに似ているのではないかと思います。
感情に流されず、論理的に検討を
皆様にもいろいろなお考えや、事情がおありと思います。
絶対に全体の矯正でなければダメ!とも思いません。
ただ、部分矯正には部分矯正のリスクがあります。
気になる部分が治ったら、次の部分が気になってしまうのが人間です。
その点をしっかりとふまえたうえで、治療内容について決めていただけますと幸いです。
今日もお読みくださり、ありがとうございました!