BLOGしょう先生のブログ

第216回【矯正コラム】「子どもが嫌がるので矯正やめておきます」これって正解?

こんにちは!今日もお越しくださり、ありがとうございます。

お子さんを連れて矯正相談に来られた親御さんの中には

「子どもの意思を尊重したいので、矯正をするかどうかは子どもに決めさせます」

という方や

「私(親御さん)はやってあげたいのですが、子どもがしたくないと言っているので、やめときます…」

と言われる方がいらっしゃいます。

 

これは、正しい選択、賢い選択の1つと言えます。

お子さんが全く歯や歯並びに興味を持っていないのに矯正を始めたら、装置の大切さが分からず、きちんと使ってくれないかもしれません。

本人のモチベーションが低いまま矯正を始めると、良い結果が得られない場合があります。

そのため、大人になってから矯正をするという判断には一理あると言えるでしょう。

 

ただ、「今は矯正をしない」と結論付ける前に1つだけ、客観的に考えてほしいことがあります。

例えば、小学校低学年のお子さんがいて、体調不良になり、高熱を出したとしましょう。

「病院でもらってきたお薬を飲もうね」と言っても「まずいから嫌だ」って言うことがありますよね。

その時に「そうよね、あなたが嫌だと言うなら飲まなくていいわ」と理解を示すでしょうか?

 

おそらく多くの親御さんは、ゼリーに入れて飲ませたり、「とても大切なものだから飲んでね」と説得したりするでしょう。

歯の矯正も、高熱も、同じ「健康」に関する問題です。

その中で、親御さん自身も、子どもの意思とは関係なく、「やるべきか」「やらなくても良いか」を選択しているはずなんです。

 

「子どもが嫌だと言っているので…」と言葉では最終的に子どもに選ばせたようになっていますが、実際にやらないと決めたのは親御さんなんじゃないかな、と思います

「子どもも嫌がっているし、私たち(親御さん)もそれを含めて検討した結果、今は矯正治療を見送ります」のように、最終的には「親御さんの意思」であることをきちんと認識できていれば、全く問題ないと思います。

 

お子さんが嫌がっているとか、お子さんが歯ならびに興味がないというのは、あくまでも親御さんが矯正をするかについて判断するための1材料です。

いろいろな材料を客観的、総合的に判断して、矯正をするかどうか決めて頂ければと思います。

 

 

どうしてこんな話をしたかというと、お子さんの意思を尊重するとお話されていたお母様が、数年後後悔しながら再来院される姿を何度も見ているからなんです。

「子どもに選ばせた」つもりでいたけど、お母さんは本当は子どもに矯正をしてあげたかった。

そのことに子どもが大きくなってから気づき、後悔している姿を見るのは、私としても、悲しいなと思ってしまいます。

きっと、お母さんは自分の気持ちを抑えつけてしまったことに、気づいていなかったんでしょうね。

そういった悲しみが少しでも少なくなればいいなと思って、この記事を書きました。

今日もお読みくださり、ありがとうございました!

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