BLOGしょう先生のブログ
私は最近新しいテニスサークルに呼んでいただいて
初めて会う方々とテニスを楽しんでいます。
このサークル、所属している方が100人近くいるんです。
それだけたくさんの方がいると、なかなか直接お話する機会がありません。
たまに回ってくる休憩時間は貴重なお話の時間です。
先日、1人の女性とお話をしました。
その方は、私が歯医者だと知って、こんな素敵なお話をしてくださいました。
今日はそのお話を、皆さんにもご紹介したいと思います。
お母様の話
「私、母が去年亡くなったんですけど、最期の方は自分で歯磨きをするのが難しくなって。
それで、私がフロスとかしてあげてたんです。
なかなか歯ブラシだけでは汚れが取れなくて、フロスを使っても難しくて。
すごく大きいサイズのフロス(注:たぶん歯間ブラシのこと)をしていたんですけど…
それがスッと抜けちゃうぐらい、歯と歯の間がスカスカで。
歳を取ったら、こんなに歯茎が痩せて、歯と歯の間ってスカスカになるんやなぁって
初めて知りました。」
「自分で歯磨きができる時から、口をすすぐ液とかもこだわって選んでいて
少しでもきれいになるようにって頑張っていたんですよね。
だから、私もきれいにしてあげたくて。」
お母様の命を繋ぐ行動
私はそのお話を聞いて、とっても感動しました。
介護が必要な方にとって、歯磨きは簡単なことではありません。
でも、歯磨きをきちんとしていないと、肺炎の原因になります。
まだ若い世代は、食べ物を飲み込む「嚥下(えんげ)」機能がしっかりしています。
もし、気管に入ってしまっても、咳をする(むせる)ことで気管から異物を出すことができます。
でも、介護が必要なお歳になってくると嚥下機能が低下します。
飲み込んではいけないものを飲み込んでしまったり、
異物が気管に入っても、咳をする力がなかったりして、
肺にお口の中の細菌などが入ってしまいます。
これを「誤嚥性肺炎」といいます。
お話をしてくださった女性は、お母様のお口をきれいにしていたことで
誤嚥性肺炎の予防をされていたことになります。
これは、命を繋ぐ行動です。
喜んでくださいました
女性にこの話をしたら、とても喜んでくださいました。
「良い話を聞きました、ありがとうございます。」って。
なんだか私も、良いことをした気持ちになりました。
介護の現場では、なかなかお口の掃除にまで手が回らないところもあると聞きます。
私は今、介護現場で働いているわけではないので、現状は分かりかねますが
もし、この記事を読んでいる皆様の中で、介護に携わっている方、
あるいは、今身近な人を介護している方がいらっしゃったら
ぜひ、お口の中をきれいにして差し上げてください。
それがきっと、大切な人の命を繋ぐ行動になるはずです。
今日もお読みくださり、ありがとうございました!