BLOGしょう先生のブログ

効率化してはいけないもの

以前私が勤めていた歯科医院では「効率化」「マニュアル化」にこだわる時期がありました。

効率化って、とても大切ですよね。

効率よく勉強するとか、効率よく仕事する。そんなことができる人に憧れます。

ただ、医療の世界では効率化してはいけない部分もあると私は思っています。

それが「患者さんの治療計画を立てる」ことです。

人の個性が千差万別であるように、

人のお口の中の状態もさまざまです。

虫歯で歯の本数が少ない人もいます。

歯の本数が生まれつき少ない人もいます。

 

下あごがよく発達して大きい人もいれば

上の前歯が出ている人もいます。

歯磨きの状態が良い人もいれば

今まで歯磨きなんてしたことない!という驚きの経歴をお持ちの方もいたりします。

 

また、その患者さん自身や周りの環境もさまざまです。

じっと座れないお子さんもいれば

座るや否や寝てしまって口を開けてくれない子もいます。

家庭環境が複雑であったり

何らかの理由で心を閉ざしてしまっていたりする子もいます。

 

ずっと口を開けている子や

舌足らずな話し方をする子。

挙げていくとキリがないのですが

いろんな状態を総合して、今の歯ならびができあがっています。

 

歯ならびだけを見ると似たような子はたくさんいるのですが

みんな少しずつ違うところがあります。

効率化、マニュアル化をすると、たくさんの方を診ることができます。

 

ただ、そのマニュアルに頼りすぎると

その患者様特有の特徴を見落としてしまう可能性があるので

治療結果が悪くなってしまうのではないかと心配です。

 

10人の患者様をマニュアル通り治療したら

9人の人はきれいに治るかもしれないけれど

残る1人の人がきれいに治らない可能性があるかもしれない。

そう思ってしまいます。

人には「例外」があるからです。

 

私は効率は悪いかもしれませんが、

お1人ずつの治療計画を、時間をかけて考えていきたいと思っています。

 

今日もお読みくださり、ありがとうございました!

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