BLOGしょう先生のブログ
みなさんは、美肌に憧れますか?
先日YouTubeで「美肌」について
肌の再生医療の専門家が語る動画を見ました。
その先生曰く、「一般人が考える美肌」と
「形成外科医(その先生)が考える美肌」
には違いがあるそうです。
今日は、そのYouTubeで語られていたお話と
そのお話が、歯科矯正にも通ずるものがあると感じたので
共通点についてお話ししたいと思います。
私たち一般人が考える美肌は
赤ちゃんのようなプニプニした真っ白の肌とか
小学校低学年のお子さんの
ツルツルしたお肌をイメージしますよね。
赤ちゃんのような美肌になるには
ピーリングなどで角質を極限まで削ぎ落とすことで
手に入れることができるそうです。
ただ、今回私が見たYouTubeの先生は
ここに注意喚起をしていました。
ただ、1つだけ言わせていただくと
健康な肌と、(皆さんが考える)美肌は
全然違うものですので
むしろ美肌を追求したら
不健康な肌になってしまいます。
どういうことなのでしょうか?
赤ちゃんの肌というのは、角質がとても薄く
皮脂や汗の分泌が不安定で
肌の状態としても不安定な状態なのだそうです。
その証拠におむつかぶれなどの
肌トラブルが起きてしまうそうです。
つまり、過度なピーリングで赤ちゃんの肌を求めていくと
角質が薄くなり、不安定な状態で
肌トラブルが起きやすくなるということ。
この現代社会に生きているのであれば
皮膚の本来の機能、外敵に強力に威力を発揮して
外敵と内面を強力に分ける機能がなくても
十分生活できる環境にありますので
自分の皮脂をどんどん剥ぎ取ったり
乳幼児期の肌を再現するということは
今の医学で可能ですので
そういうことをやろうというのに
別に止めたりはしないんですけども
私の考える健康的な肌(美肌)とは違う
つまり、体を守るバリアを剥がして
赤ちゃんのような肌を手に入れているということです。
一般人が考える「美肌」は
現代の清潔な社会では可能だけれど
健康な肌とは少し違うのではないか?と
問題提起されていました。
私はこの動画を見て
矯正歯科とも似ている部分があると思いました。
私たち矯正歯科医の多くは
「見た目の美しさ」と「歯の健康」の両面から
矯正歯科治療のゴールを設定します。
ぱっと笑った時に歯がまっすぐ並んでいること
見た目が素敵なことはもちろん大切です。
そして、多くの患者様が
ご自身の中で「美しい」と考える
歯ならびの理想があります。
ただ、その人の骨格や歯の状態、歯の本数など
様々な要因が重なって
その患者様の状態にあった
「健康的な歯ならび」が
「患者様の考える美しい歯ならび」と
一致しないこともあります。
また、矯正治療の後半になると
正面からぱっと見ると美しい歯ならびだけれども
「よく噛めるようにもう少し調整して
健康的な歯ならびにしたい」と思うことがあります。
でも、患者様が鏡で自分の歯を見ると
とてもきれいなので「もう治療を終了したい」と
言われることが多くあります。
治療のゴールを設定するときに
医師や歯科医師と、患者様の間に
相違が生まれてしまう。
私は、将来の健康のためには、もう少し治療をさせてください!
と思うのですが、患者様からは
もう十分きれいですし…と言われてしまい
なかなか想いが伝えきれないことがあります。
友人にこのような話をすると
「患者さんが満足しているんだからいいじゃん!」と
言われることもあるのですが
それが果たして良い医療と言えるのか?と
葛藤する自分もいます。
皮膚でも歯ならびでも、どこまでを目指すのかは
とても難しい問題なのだなと思いました。
YouTubeの先生は、この葛藤に関して
ご自身のなかでこのように折り合いをつけていました。
脆弱で赤ちゃんのプニプニとしたような肌を
連想している方は、心の片隅に
そういった肌というのは
健康な肌とは若干ニュアンスが違うんだよ
ということを心して
それを追求していくというのは
いいのではないかと思います。
つまり、健康な状態の肌からは少し離れてしまうけれども
それを分かったうえで
あえてその赤ちゃんのような美肌を追求していくのは
否定しないですよ、ということですね。
人生の主役は自分。
健康のためだけに生きているわけではないので
自分で知識をつけて、その上で選択してください
ということを表現をされているように、私は感じました。
今日もお読みくださり、ありがとうございました!
形成外科の先生のYouTubeも
こちらにご紹介させていただきますね。
(北條元治 | 形成外科医・肌の再生医療の専門家)