BLOGしょう先生のブログ
「はーい、宿題提出して〜」
「せんせー、家に忘れてきました!」
そう言う子どもの内、果たして何割が
本当に忘れただけなのだろうか。
『忘れたんじゃなくて、やってないんじゃないの?』
今のご時世、こんなことは口が裂けても言えないが
心の底では、そう思っている。
もちろん、何人かは本当に忘れた人もいると思う。
私自身、教科書とかをよく忘れてしまい
隣の友達に見せてもらっていたタイプだ。
ただ、人間って褒めてほしい生き物。
もし、一生懸命宿題をやっていたなら
先生に褒めてほしいから、持って行くと思う。
例えば母の日に、母に内緒でご飯を作っていたら
どんなにその料理の見栄えが悪かったとしても
それを捨ててしまう子どもはいないはず。
その頑張りを見て、褒めてほしいから
どんなに焦げていても、そのまま出すはずである。
こっそり料理を捨てて
「今日はニンジン買ってくるの忘れたから
作れなかったー!」とは言わないだろう。
逆に、作るのがめんどくさくなった子は
「今日はニンジン買ってくるの忘れたから
作れなかったー!」と言うだろう。
「作れなかった」のではない。
「作らなかった」のである。
小さな、小さな嘘である。
「小さな嘘」って、いつから使い始めるのだろうか。
もちろん、私も小さな嘘を使うことがある。
でも、頻度は多くない…と自分では思っている。
私が怖いと感じるのは
小さな嘘を使いすぎて、それが当たり前になってしまうこと。
マーライオンのように、口から嘘を垂れ流し続ける大人もいる。
小さな嘘には、さまざまな理由があると思う。
怒られることを回避するために。
相手を傷つけないようにするために。
自分の気持ちを隠すために。
小さな嘘で、その場を乗り切れることがあるかもしれない。
小さな嘘で、その場が丸く収まるかもしれない。
ただ、相手がその嘘に気づいている時
その小さな嘘は、相手を大きく傷つける。
うまく乗り切ったと思っているのは
あなた自身だけ。
「あぁ、また小さな嘘をつくんだな」
と悲しくなる。
小さな嘘は
生きていくため、身を守るために
必要な「防具」ではある。
ただし、使いすぎは禁物。
その嘘に気が付かなくなるから。
1つ、自分の小さな嘘に気が付く方法がある。
自分の発言が、次の2つを満たしていないかどうか。
1)「自分の意志と、それに続く否定語」を使っている。
2)その文章で会話が終わっている。
この2つが揃っている時は
だいたい小さな嘘ではないかと、私は思う。
例えば
「痩せたいんだけど、痩せられない。」
「勉強したいんだけど、時間がない。」
「行きたいんだけど、今日は行けない。」
こういう言葉は、突き詰めていくと
「痩せる気がない」
「勉強する気がない」
「行く気がない」
のである。
もちろん、痩せるかどうかには体質もあるだろうし
本当に忙しくて勉強できなかったり
先約があってお誘いを断ることはある。
なので、この
「自分の意志と、それに続く否定語」を使っている
というだけでは
小さな嘘だと断定できない。
でも、その続きが大切なのだ。
本当に痩せたいのなら
「痩せたいんだけど、痩せられない。」の後に
会話が続くはず。
「食事制限は難しかったから、次は運動をしてみよう」
「今はちょっとお休みして、来月から頑張る」
「勉強したいんだけど、時間がないから
明日は早起きしてみよう。」
「行きたいんだけど、今日は行けないから
来週一緒に行こうよ!!」
自分の意志+否定語+提案や解決策
のセットになっていれば
その否定にも価値がある。
でも、否定語で終わっているだけなら
きっとそれは、小さな嘘である。
小さな嘘をつくマーライオンに
ならないよう、気を付けたい。
そういう親を見て
子も同じように育つのだから。