BLOGしょう先生のブログ
おはようございます。今日もお越しくださり、ありがとうございます。
今日は、歯科の診療時間に起きている変化について、私なりの考えを綴りたいと思います。
一昔前は深夜までが成功の秘訣
私が歯の勉強を始めてから、20年近くが経ちます。20年の中で、歯科医院の診療時間にも変化が生じています。
平成中期には、「いかに夜遅くまで診療をしているか」「いかに休みの日が少ないか」が、歯科医院として成功の秘訣となっていました。
もちろん全ての医院がその路線を歩んだわけではありませんが、今、大きな歯科医院の多くがそのようなスタイルを取っていると思います。
なぜでしょうか?それは、一時期報道でもよく言われていたので皆さんもご存じかもしれません。
「歯科医院の数が、コンビニより多い」状態だったからです。
コンビニは都心に乱立した結果、どうなったでしょうか?24時間営業が当たり前になり、スタッフの確保ができず、店長が倒れる寸前まで働く結果となり、反乱が起きたことは皆様の記憶に新しいかと思います。
歯科医院も、同じ道を歩みかけていました。他院との差別化を図り、夜遅くまで診療をしたり、休日に診療をできた医院が良い医院と患者様に認知され、勢力を広げました。
「患者様のため」という言葉に抗えないスタッフたち
コンビニが24時間営業する理由は、おそらくお客様のためです。ずっと開いていたら、便利ですもんね。
そして、歯科医院が夜遅くまで診療をする理由も「患者様のため」です。
医療従事者は特にこの「患者様のため」という言葉に強い魅力を感じている者が多くいます。私もそうです。ですから、夜遅くまで働いて、どれだけ体が悲鳴をあげようとも、患者様のためだから頑張りなさい、と言われたら、「そうだな、頑張らないとな」と思ってしまう人が多いのです。
そういった事情があり、歯科医院も次々と休日診療が解禁され、夜遅くまで診療が行われるようになりました。
まさにコンビニと同じです。
今は時間を短縮する医院も増え始めている
しかしながら、深夜まで診療を行う歯科医院は今、少しずつ減っているように思います。
コンビニで24時間営業をしなくなったところがあるように、歯科医院でも診療時間を少し短くする医院が私の周りでは出始めています。
夜遅くまでするのは、患者様のために良いと思う気持ちは、おそらく今も多くの歯科医師が思っていると思います。しかし、夜遅くまで診療をすると、集中力の低下が生じ、治療の質は低下します。そして、スタッフも疲弊します。
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当たり前のことのようで意外と気づかれていないのですが、患者様にとって「仕事終わりに診てもらえる」ということは、そこの医院のスタッフは「仕事で夜遅くまで帰れない」のです。
患者様のことはもちろん大切ですが、スタッフの人生も大切。
昔は、夜遅ければ深夜手当をもらえていいじゃないという風潮があったのかもしれませんが、今はその手当もわずか。
ささやかな手当をもらうぐらいなら、健康で心豊かな生活を充実させたいと思うスタッフも増えているのです。
ですから、あなたのお近くの医院の診療時間が少し短くなったとしても、その医院のスタッフのために、理解をしてあげてほしいなと思います。
患者さんにも、スタッフにも素敵な笑顔を
いかがでしたでしょうか。時代は刻々と変わっています。今回のコロナ騒動を経て、もしかしたら日本でも在宅ワークや出勤時間の調整によるラッシュ解消などが当たり前の時代が到来するかもしれません。
その時、歯科はどう変わるのか…私には見当がつきませんが、どんな形に変わるにしても、患者様とスタッフが、どちらも笑顔でいられるような医院にしていけたらなぁと思っています。