BLOGしょう先生のブログ
おはようございます。今日もお越しくださり、ありがとうございます。
今日は昨日と反対に、歯の本数が多い場合についてお話をしようと思います。
歯がたくさんある「過剰歯」
昨日は、歯が少ないことについて記事を書きました。
反対に、歯が多いこともあります。
歯が多い場合、その歯のことを「過剰歯(かじょうし)」と言います。
え、歯が多い人なんている?と思いませんでした?
先天欠如ほどではないのですが、過剰歯をお持ちの方は時々いらっしゃいます。
ただ、歯科関係に従事している方以外は、ほとんど目にすることがないと思います。
過剰歯は中途半端な歯が多い
なぜ、皆さんが目にすることがないのかと言いますと、過剰歯は完全な歯の形をしていることが少ないからです。
不完全な物が多く、目に見える前に抜いてしまったり、そもそも見えないところにあったりします。
なので、みなさんの目に触れることは少ないのです。
過剰歯の中でも、私たち矯正医が良く見かけるのは「正中埋伏過剰歯」です。
さて、何と読むでしょうか?
正解は「せいちゅうまいふくかじょうし」です。
はい、早口で3回言ってみてください。
私は言えません。
「埋伏(まいふく)」とは埋まっていることを表します。
どこに埋まっているでしょうか?
そうです!あごの骨の中に埋まっているのです。
歯科用語で正中とは、顔の真ん中を指します。
正中埋伏過剰歯とは、お顔の真ん中のあごの骨の中に埋まっている、余分な歯という意味です。
埋まってしまっているので、見えることはほとんどありません。
レントゲン画像などを貼りたいところですが、気持ち悪いと感じる方もいらっしゃいますので、ここには載せません。
もし興味のある方はネットで検索してみてくださいね。
過剰歯の問題点
過剰歯自体が目に見えることは少ないのですが、過剰歯が歯並びに影響してくることがあります。
まず、大人の過剰歯で最も早く気付くのが、前歯が生えてくる邪魔をする場合です。
以前の記事で書きましたが、左右の歯が同時期に生えてこない場合があります。
その原因として可能性があるのが、この正中埋伏過剰歯という場合があります。
あごの骨の中でどーんと居座っているので、本来生えてくるべき歯が出てこられないというわけです。
電車の扉近くで陣取っているおすもうさんってイメージでしょうか。
こういった場合は過剰歯を抜かなければなりません。
やっかいな過剰歯も
過剰歯の中には、なかなか社会の規範を守れない厄介者もいます。
それが、逆性の埋伏過剰歯です。
逆という文字がついているので、察しの良い方は気づかれたかもしれませんが、他の歯と逆の方向を向いている歯です。
お母さまだと「逆子」がイメージしやすいでしょうか。
歯が反対を向いていて、あごの骨の中に埋まっている状態を、逆性埋伏過剰歯と言います。
逆性で、特に他の歯の邪魔をすることなく、あごの骨の中でじっとしてくれている場合は、特に何もする必要はありません。
しかしながら稀に、逆方向にズンズン進んでしまっているような歯があります。
逆方向というのはすなわち、上あごにあるのに、鼻の方に向かって生えていくということです。
実際鼻の方に向かって生えていくことはほとんどないと思うのですが、その位置によっては、手術で取り除くことを検討しなければなりません。
なかなかやっかいで、私は歯科界のヤンキーと呼んでいます(嘘です)。
いかがでしたでしょうか。過剰歯はなかなか気づきにくいものですが、定期検診などで早めに見つけることができれば対応も楽になる場合があります。
ぜひ、定期検診に行ってくださいね。