BLOGしょう先生のブログ
おはようございます。今日もお越しくださり、ありがとうございます。
昨日医院の花を植え替えました。ジニアという花です。和名はヒャクニチソウ(百日草)と言います。花が長期間咲き続けることからこの名がついたそうです。
きれいです。
さて今日は、矯正治療による歯の痛みについて、お話したいと思います。
目次
痛いときもあると思います
冒頭から「痛いと思います!」なんて、けんもほろろですが、私は矯正診療において、嘘をつかないように心がけています。
もし、矯正を始めるか悩んでいる方に、「痛くない矯正もあるから大丈夫ですよ!」なんて言ってしまって、もしすごく痛かったら、その方は数年間その痛みに苦しみますし、何より私と患者様の間で信頼関係が損なわれてしまいます。
患者様との信頼関係を大切にしていますので、痛みは「ある」とお伝えするようにしています。
ただし、痛みますよ!だけでは怖いですよね。
得体のしれない痛みだから、怖い
みなさんはお化け屋敷とか好きですか?私は苦手です。腰ぬかします。
お化け屋敷って、おばけや仕掛けがどこに隠れているか分からないからこそ、恐怖が倍増しますよね。
もし、「ここからお化けが出ます!O・B・A・K・E!!」って蛍光色の付箋が貼ってあったら、怖さも半減すると思います。
人間は、どこから何が襲ってくるか分からないと恐怖を覚えるものです。
痛みについて不安を感じておられる方には、少しでもその恐怖を緩和していただき、痛みが予想できるように、矯正治療によって生じる痛みについて、詳しくお伝えするように心がけています。
矯正の痛みには2種類あります
①歯が動くことによる痛み
まず、矯正治療で歯が動いていくことによって生じる痛みがあります。
痛みの質を言葉で説明することはとても難しいのですが、私自身の矯正治療体験に基づいてお話をさせていただきますと、この種類の痛みは主に食べ物を噛んだときや、くいしばったときに生じます。
子どもの頃乳歯がぐらぐらして、食べ物を噛んだら痛いような、むず痒いような…そんな経験をしたことはありませんか?その痛みに似ていると思います。
この痛みは、針金など矯正装置装着後、あるいは矯正装置交換後しばらくしてから出現し、おおよそ2.3日続くことがあります。
(痛みが1週間ほど続いた、とおっしゃる方もいらっしゃいましたが、非常に珍しいパターンかと思います。)
②矯正装置が物理的に粘膜に「擦れる」ことによる痛み
もう1つは、矯正装置そのものが物理的にほっぺたとこすれたり、舌とこすれたりすることによって生じる痛みです。
こちらは想像しやすいかと思います。人によっては口内炎ができてしまう方もいらっしゃいます。
物理的な痛みに関しては、原因がありますので、その原因に対してアプローチをします。
多くの方が、始めてしまえばどうってことはない
私が今まで矯正治療をしてきての体感ですが、みなさんがイメージしやすいかなと思いまして、アンケート風にまとめてみました。
(※体感ですので、実際にアンケートを取ったわけではありません)
矯正装置を付けた翌月に、「装置は痛かったですか?」と100人に聞いた時の反応ランキング
- 「装置を付けて2,3日は痛かったですけど、そのあとは平気でした」と答える方
…100人中80人ぐらい
- 「全然痛くなかったです」など、明確に痛くなかったと答える方
…100人中10人ぐらい
- 「あ、特に…」など、少しは痛かったかもしれないが、あまり何も言われない方
…100人中5人ぐらい
- 「最初の2.3日はめっちゃ痛かったので、次は痛くないようにしてほしいです」と言われる方
…100人に2人ぐらい
- 「むしろもうちょっと痛くないと歯が動いた気がしませんので痛くしてください」と痛みを求める方
…100人中2人ぐらい
- 「痛すぎて眠れないんです」など、気分が落ち込むほど強い痛みが継続し、矯正診療時に痛みについて相談をされる方
…100人に1人ぐらい
いかがでしょうか。実は、一番下のランキングは、100人に1人もいないと思うんですね。ただ、それだとちょっとイメージしにくいので、切り上げて1人にしています。
ほとんどの方が、矯正治療を始めてから大きな痛みに悩まされることはないですので、あまり深く悩まない方が良いのではないかなと思います。
痛みは確かにある。だけど、乗り越えられるもの。
いかがでしたでしょうか。100名のアンケート風にまとめてみましたが、これを読んで、少しやる気になったでしょうか。
もしかしたら前向きな気持ちになれたかもしれません。
また一方で、「もし自分が最後の1人に当てはまって、めちゃくちゃ痛くて、眠れなかったらどうしよう…」と思ってしまった方もいらっしゃるかもしれません。
不安なお気持ちって、なかなか他人のアドバイスでは変えられないですよね。
もし、これを読んでもなお、痛みが心配な方は、もう一度、ご自身に問いかけていただきたいんです。
「そもそも私は矯正をしたいのか?」と。
矯正をしないための理由を探していませんか
上記の通り、矯正が痛くてたまらない、と悩んでしまう可能性は1%です。
その1%が気になって仕方がないってことは、もしかしたらあなたの中で、矯正治療の優先順位はそれまでのもの、つまり、それほど矯正をしたくないということはありませんか?
例えば高校受験のことを考えてみましょう。
公立の高校受験ですと、だいたい倍率2倍以下ですよね。(違うかったらすみません。)
言い換えると合格率が50%。残りの50%は不合格になるわけです。
でも、その不合格の50%に入る心配があっても、その高校に合格したい、行きたいと思うから、受験しますよね。
不合格の50%に入るかもしれないから、受験しません、とはならないと思うんです。
一方、矯正で痛みに耐えられる確率は99%です。
もし、あなたの志望していた高校が、合格率99%で、「高校受験しますか」って聞かれたら、あなたはどうしますか?
「残りの1%に入るかもしれないから、受験やめます。」って言いますか?
もしそう答えるのであれば…それってたぶん、その高校に行きたくないんだと思います。
自分の心の声に耳を傾けて
もし、この記事を読んでもまだ、痛みが気になって矯正をためらっているのであれば、まずは「そもそも本心で矯正したいと思っているのか?」に立ち返ってみることをおすすめします。
そうすれば、新しい道が開けると思います。
もちろん私は矯正医ですので、矯正をしたほうが良いと思います。
でもそれは、あくまでもご本人が矯正治療に前向きであってこその話です。
もしかしたら、あなたにとっては、矯正をしないことが幸せなのかもしれません。
最後に決めるのは、あなたご自身です。
まずはご自身の心の声を、聴いてあげてくださいね。
みなさんにとって、よい選択ができる手助けになれば幸いです。
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