BLOGしょう先生のブログ
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目次
歯医者にあるはずのものが、ない
当院では、歯科医院の設備として、あえて設置しなかったものがあります。
通院されている患者様で、分かる方はいらっしゃいますでしょうか?
ヒントは、「昔の歯医者にはなかったけど、今の歯医者では結構どこにでもある」ものです。
え?エアコン?いやいや、さすがにそれはあります。
優しさ?大丈夫、忘れないように心がけています。
正解は
モニター画面です。
当院では、待合室にモニター画面を置いていません。
掲示板はありますが、国から定められた掲示物を除くと、掲示しているものものはほとんどありません。
診察室でも、カウンセリングコーナーに1台あるだけで、診療椅子にはモニターを設置していません。
一昔前は、これが大流行していました
モニター画面は、一昔前の歯科医院で大流行していました。
モニターを活用することで
・患者様への説明時に画像や写真を使うと、分かりやすい
・子どもたちがアニメを見るので、アニメに集中している隙に治療を終わらせる
といった治療を円滑に進める目的があります。
さらに、商売意識の高いコンサル会社などは
・待合室で自費診療に関する動画を流して、自費診療を増やそう!
・もっと歯のことを知ってもらって、よい治療、高い治療を受けてもらおう!!
などなど、いわば広告ツールとして、モニター画面を活躍しようと訴えかけていました。
若いころはこれを導入しようと思っていました
私も若い頃は、『もし開業したら、子どもたちが楽しく通えるように、テレビモニターを天井につけて、いつでもアニメが見られるようにしよう!』と思っていました。
でも、ある時、気づいたのです。
いつもアニメが流れている歯医者に来る子どもたちは、単にテレビを見に来ているだけなのです。
大人でも同じ
どういうこと?って思われたかもしれませんが、大人の世界でも似たような場面があります。
こんな風景に見覚えはありませんか?
ランチの時間に、イヤホンをして、YouTubeらしき動画に釘付けになりながら、定食を食べている人。
箸で食べ物を挟むときだけ食事に目が行きますが、口に入れるころにはモニターにくぎ付け。
ランチを食べに来てはいますが、意識はYouTubeの動画に向いているので、おそらく何を食べているのか、どんな味がしているのかは分かっていないと思います。
そして、どれだけの量を食べたのかも、しっかりとは認識できていないと思います。
いかがでしょう。こんな人を見たことはありましたでしょうか。
歯医者に来る子どもたちも、定食屋の大人と同じで、歯医者で座ってテレビを見ているだけであって、歯医者に来ている意識が少ないのです。
別に意識が少なくても良い?
ここまで読んでいただいて、こう思われた方もいらっしゃるかもしれません。
「いや、別にわざわざ歯医者なんて意識しなくていいんじゃない?」
「楽しく通えたらそれでいいんじゃないの?」
確かに、イヤイヤ通うよりは、楽しく通える方が良いのですが、テレビを見ているお子さんは、そうでないお子さんと決定的に違うことがあるのです。
歯のことが、他人事になる
それは、自分の歯のことが、他人事になっているという点です。
テレビを見ている間に治療が終わって、「ハイ、終わり」と言われたら、あれ?もう終わり?と思いつつ席を立つ。
それはまるで洗車中の車のようです。
洗ってもらうのを待って、終わったら何事もなく出ていく。
そこに意志はありません。
自分の歯の治療をしているのに、どこか他人事なのです。
私たち歯科医師や歯科衛生士が歯磨きの指導をしたり、装置の説明などをしてもどこか上の空。
これでは、良い治療結果が得られません。
矯正治療は本人の協力も大切
矯正治療においては、本人の協力がとても大切になります。
歯磨きをしっかりするとか、装置をちゃんと装着するとか、いろいろと自分でしなければよい結果が得られない部分があります。
私たちスタッフが患者さんとしっかりと向き合うためには、まず患者さんが私たちの方に意識を向けてくれなければなりません。
モニターはその妨げになるのではないかと考え、当院ではモニターを取り入れていません。
もちろん、画像の説明が必要となる場面はありますので、その時はカウンセリングコーナーのモニターを使ったり、iPadでお見せしたりします。
ちょっとしたこだわり
たかがモニター。されどモニター。
今日はそんなこだわりを、紹介させていただきました。
最後までお読みくださり、ありがとうございました!!