BLOGしょう先生のブログ
おはようございます。今日もお越しくださり、ありがとうございます。
今日は、私が小学校の時から実践している考え方について、みなさまにお伝えしたいと思います。
若手歯科衛生士に向けてのコラムとしていますが、職種に限らず、また年齢に限らず、楽しんでいただける記事です。
私が今までに接してきた人との経験から、日本人の多くに不足している能力と感じています。
お子さんの成績アップや、会社での評価アップにもつながる記事になりましたので、ぜひ、最後までお付き合いください。
目次
勉強会で出会う「熱心な信者」
私たち歯科医師や歯科衛生士は、勉強会に参加して、さまざまな技術や考え方を学びます。
どの勉強会に参加するかは個人の自由で、知人のおすすめ勉強会であったり、書籍を読んで感銘を受けた先生の勉強会だったり、はたまたたまたま広告を見て参加する勉強会など、きっかけはさまざまです。
私も若いころはいろいろな会に参加しましたが、勉強会には必ず「信者」が参加しています。
その先生のことを信じて疑わない、その先生が言っていることが全て真実である、という参加者です。
熱狂的で、崇拝する先生の勉強会には全て出席し、最前列に座り、必ず質問をする。
そして、いかにいつも話を聞いているか、アピールをする。
そんな人がどのセミナーにもいらっしゃいました。
はたからみると、宗教の「信仰」に近いものがあります。
あなたも何かの信者かもしれない
「うわー、そういう人どこにでもいますよね!」
「ちょっとひきますよね…」
そう思われた方、いらっしゃるかもしれません。
でも、ちょっと待ってください。
あなたご自身は、そのような信者になっていたこと、ありませんか?
例えば、ダイエット。
お母さま世代であれば「一生懸命油の摂取を避けていた幼少期」はありませんでしたか?
昔は「糖質」なんて言葉はありませんでしたよね。
(いや、厳密には存在していましたが、ダイエット用語として糖質が注目されることはありませんでした。)
できるだけ油物を避けて、一生懸命ダイエットをしていた方も多いのではないかと思います。
また、ちょっと違うダイエット、例えばリンゴしか食べない、とか、お豆腐しか食べない、なんてダイエットに走っていた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
それも立派な「信者の行動」です。
ハマっているときは気づかない
実は、何事も没頭しているときは、その信者になっていることに気づかないんですよね。
信者になっているときは、だいたい同じような考え方の人と集まります。
すると、信者同士で情報交換をするので、結局「私たちの考えは正しい」とする情報が集まってきます。
その結果、さらに信仰心は深くなります。
一生懸命リンゴだけを食べている毎日。
そんなとき、絶対に書物やテレビで「1つの食品だけを食べると栄養が偏る」という情報は目にしているはずなんです。
でも、その情報は頭には残らない。
周りのダイエットをしていない人から何か言われても、「でも、隣の〇〇さんは、リンゴダイエットで4キロやせた」という情報の方が貴重な情報として脳に焼き付けられているのです。
周りの人に止められたけれどもやっていたこと、ありませんか?
誤字、脱字が多い傾向あり
こういった宗教にはまりやすい人には、誤字・脱字が多い傾向があると私は感じています。
これは、統計的情報ではなく、個人の主観です。
もし、皆さんの中で、LINEやメールでよく誤字、脱字をしてしまうという方は、要注意です。
なぜ、そんなことが言えるのか?それは、この続きで解説します。
冷静な判断をするために必要な能力
無意識のうちに何かの信者になってしまうことを防ぐために、必要な能力があります。
それは、「批判的吟味」です。ひはんてきぎんみ、と言います。
私はこの批判的吟味、という言葉を、小学校の国語の授業で習ったと記憶しています。
(中学校だったかな…そこはちょっと曖昧)
批判的吟味がなぜ必要か
吟味(ぎんみ)とは、平たく言うと「見直し」です。
最初は「自分で作った作文を吟味しましょう」つまり、「文章を見直しましょう」と教わりました。
ただ、普通に吟味すると、何も間違っていないように感じるんですね。
なぜなら、つい先ほど自分が書いた文章なので、ストーリーが分かっているからです。
また、間違っているはずがないと思って読み返しているので、仮に間違いがあっても、脳が自動的に正しいものに自動変換して読んでしまうのです。
そこで「批判的吟味」が役立ちます。
これは「自分の作った文章が間違っているのではないか?」と疑いの目を向けて見直す、という作業です。
先ほどの単なる吟味と異なり、疑ってかかるので、間違っている部分に気づきやすくなります。
この作業はとっても大切だと、私は思っています。
前述の「誤字、脱字が多い人」は、おそらくこの批判的吟味をあまりしていないので、繰り返し同じミスをしてしまいます。
疑ってかかる習慣がないので、何かに没頭したり、1つの説にはまりやすいわけです。
歯科界でも、信仰は多い
矯正の分野でも、何かを信じて疑わない、それが全て正しいと考えて発信している人は少なくありません。
例えば、口腔筋機能療法。
英語でMFTとも呼ばれるもので、お口の周りの筋肉、舌の筋肉を整えることで、歯ならびに良い影響を与えるとする考え方です。
私はこのMFTを取り入れています。でも、必ずMFTで治る、とは思っていませんし、全員にMFTが必要とも思っていません。
でも、中にはMFTで全てが解決する、と思っている歯科医療従事者も少なくありません。
そういった方は、おそらくMFTにも賛否両論あることはご存じなかったり、「否」の意見を無意識に切り捨ててしまっている場合があります。
また、MFTをして効果がなかった人のことは忘れ、効果があった人のことばかり覚えていたりします。
それは、批判的吟味を行っていないと言えます。
これから研究が進んで、MFTの歯科医療でのポジションも変わってくるでしょう。
ダイエットにおける糖質のように注目される場合もあれば、逆に脂質のように忘れ去られていく存在になるかもしれません。
そういう中立的な立場で物事を考える必要があるでしょう。
他にも、最近はマッサージなどを取り入れている医院が増えています。
私もマッサージを受けるのは好きなのですが、それも、批判的吟味が必要です。
私は友人にセラピストがいるのですが、ウエストマイナス何センチとかはただ内臓の位置がずれただけだ、と言ってました。
「ベッドに横になって、マッサージをすればそりゃ内臓はちょっとずれるから、その後ウエスト測ったら痩せてるよ。
でも、しばらくしたら元に戻るから、あんなん意味ないからね。」と笑っていました。
また、マッサージした後にぽかぽかするのは血流が良くなったという人もいるが、皮膚を強くこすることにより炎症が起きているだけだ、という記事も読んだことがあります。
確かに、どちらもぽかぽかしそうですよね。
ウエストの話も、炎症の話も、どちらが正しい、間違っていると言いたいわけでなく、「そういう説もあるよね」と双方を認識できているかどうかが大切だと言いたいです。
歯科ではマッサージなどをすることで小顔になるといううたい文句がよく使われます。
多くの女性はこの小顔という2文字にすごく興味をもってしまうようなんですね。
でも、その小顔って、持続していますか?
元に戻っていませんか?
そう考えてみると、どうでしょうか。
小顔になった理由として、「リンパ液が流れたから」と聞いて、そうなんだ!と納得してしまっていませんか。
そこに批判的吟味はしましたか。
…例えばですけど
・細胞が潰れてしまっているかもしれないけど、そんな施術をしても問題ないのか?と吟味する。
・骨格に及ぼす悪影響がないのか、吟味する。
・一時的な改善で、結局元に戻るのであれば、それをする意味はあるのか?と吟味する。
など、様々な検討を加えたうえで、それでもやっぱりやってみよう、と思うのであれば、価値があると思います。
大切なのは、「よく吟味したうえで、自分なりに考えてやるかやらないかを判断する」ということです。
医学は少しずつ変わっていきますから、それぞれの人が考えた医療に対して、別の人が否定することも、肯定することもできません。
ただ、今の歯科界では、勉強会を受けた段階で、その内容を鵜呑みにして、「これは良い!!」「やってみよう」と安易に手を出してしまう人が多すぎます。
それが果たして患者様のためになるのか、批判的吟味をしてほしいなと思います。
歯科に限らず、常日頃から批判的吟味を
私自身もそうですが、油断するとなんでも信じてしまうことが普通です。
でも、その普通をあえて疑って、吟味をすることが、視野を広げたり、さまざまな価値観を受け入れる土台になるのではないかと思います。
日常に批判的吟味を取り入れることで、より深いレベルで思考できるようになるのではないでしょうか。
みなさんはどう思われますか?
私が書いていることも、正しいとは限りません。
「批判的吟味」の目を持って、考えてみてくださいね!!
今日もお読みくださり、ありがとうございました!
関連記事です
【関連記事】第5回【あまり知らない】矯正の衛生士はどんなことをするの?【衛生士向け講座】