BLOGしょう先生のブログ
先日の一人旅でのお話です。ホテルでの朝食の時、こんなことを言われました。
「フレンチトーストが付いておりますが、召し上がりますか?」
「はい。」
「コーヒー、紅茶はいかがなさいますか?」
「ホットコーヒーでお願いします。」
「かしこまりました。少々お待ちください。」
その後、しばらくして、スタッフさんが戻ってきました。
「失礼いたします、お客様、お砂糖とクリームはいかがなさいますか?」
私は回答にちょっとためらいました。
みなさんはなんと答えますか?
「お砂糖とミルクは?」であれば
ホットコーヒーに対する質問だとすぐに分かります。
でも、クリームってなんでしょうか?
フレンチトーストにホイップクリームが乗っているのかな?
でも、最後の会話は飲み物についての問いで終わっているのだから
ウインナーコーヒーみたいに生クリームが乗っているのかな?
そんなことを思いながら
とりあえずどちらの質問でもいけるように「なしで」と答えました。
仕事における会話があまり上手じゃない方って
相手の脳と、自分の脳の映像が一致していないのではないかと思います。
おそらくそのスタッフさんは
私の席から持ち場へ戻る途中で
「あっ、コーヒーの(もしくはフレンチトーストの)砂糖とクリームについて聞き忘れた!」
と思ったんでしょうね。
でも、私は、そのスタッフさんが「◯◯を忘れた!」となった状況を知りません。
私の脳内は、フレンチトーストを食べると答えたことと
ホットコーヒーを頼んだことで終わっています。
この状況であれば
まずは「コーヒーについての確認ですが」と言って
お互いの脳内の映像を揃えておくべきでしょう。
また「クリーム」という単語が
コーヒーにはメジャーではないということも
注意すべきでした。
もちろん、スターバックスなどでクリーム山盛りの飲み物もありますが、今は朝食の場面。
「お砂糖とミルク」が適切ではないでしょうか。
こうやって客観的に聞くと
「そんなこと誰でもできる」と思われがちですが
意外と苦手な人にとっては難しいことのようです。
私の友人でいつも会話から主語が抜ける子がいるのですが
その子と会話するときも
脳内が一致しないことがあります。
私が「それって〇〇さんのこと?」などと
確認を挟まないといけません。
私が「それって〇〇さんのこと?」と聞くと
「いや、△△さんのこと」と返ってくることもあり
確認しなければ話がかみ合わないところだった…
ということが何度もありました。
仕事の場面でも似たようなことがあります。
例えば、あなたが専門職として知っていることを
相手も知っているとは限りません。
同じ会話をしていても、相手が想像していることと
こちらが想像していることが違うこともあります。
例えば歯科では「歯周病」という言葉がメジャーです。
ですがご年配の方には「歯槽膿漏(しそうのうろう)」という言葉の方が
よく認知されています。
そして「歯槽膿漏」と「歯周病」が全く関連のないものだと
思っている方もいらっしゃいます。
そういった少しのすれ違いから
こちらが分かっているだろうと話したことが
相手に伝わっていないことがしばしばあります。
誤解を生まないように相手の脳内を想像することで
会話が上手になるのではないかと思います。
さてさて、冒頭のお話に戻りましょう。
ホテルのスタッフさんが話していた
「お砂糖とクリーム」は一体何だったと思いますか?
実は、分かりませんでした。
なぜなら、頼んだホットコーヒーが来なかったんです。
食後に改めてコーヒーを頼んだので
あの質問はなんだったのか分からないままです。
きっとまだ新人さんだったんでしょうね。
今日もお読みくださり、ありがとうございました!