BLOGしょう先生のブログ
おはようございます。医院の前にパンジーを置きました。ほんの少しの緑ですが、穏やかな気持ちになれば嬉しいです。
難しいなと思うこと
私は、すごく苦手なことがあります。それは、「矛盾する課題に答えること」です。
一休さんが「このはしわたるべからず」と書いた橋のど真ん中を歩き、「端を渡らなかった」という話は有名ですが、私はこのような機転の効いた答えがうまくできないなと、日常生活で感じています。
診療室にて直面した問題
先日こんなことがありました。
治療を頑張っているお子さんのお母様から、「来月から受験が始まるので、今日は痛みの出ることはさせたくない」とのお申し出がありました。
確かにそれは、お子さんのことを思う親御さんのお気持ちとして、よく理解できました。大切な受験、何かあったら嫌ですよね。
そこで、「今日は現状維持にして強い力は加えず、受験が終わってからまた頑張って通うのはいかがですか?」と提案しました。
するとお母様より、「受験が終わったら忙しくなるから、早く治療を進めたいんですよね」とのお申し出がありました。
最初のお申し出は、痛いことはさせたくない。
次のお申し出は、治療を早く進めたい。
治療を進めたら当然痛みは多少なりともあります。
今日、治療を進めるのか、進めないのか。私はどちらに舵を取れば良いのか分からず、途方に暮れてしまいました。
矛盾するお気持ちを、どう汲み取るか
私はこういったご相談に応じるのがとても苦手です。
お母様はおそらく、その場その場で思っていることをお話してくださっているのだと思うのですが、その両方を叶えることはできません。
どのようにお母様の気持ちを理解したら良いのか、分かりません。
ちなみに、こういった時は、お母様の本当の気持ちがどちらなのか、できるだけお話を聞き、何か良い案がないか、考えるようにしています。
でも、お母様のお話がまとまらないので、どんどん時間は延びていきます。
次の患者様から熱視線が…
予約時間はとうに超えており、後ろでは次の患者さまのお母様が、いつうちの子を見てくれるのかと、私に強い視線を送っておられます。
最終的に、お母様が少しでも早く治療を進めてほしいとのご希望が強く、そこから治療を続けることになりました。
後に待つ患者様たちをお待たせしていることを申し訳なく思いながら、治療を進めようとしました。
すると、お母様から、今から塾なんですが、間に合わないんですか?とのお申し出が。
うーん…
うーん…
お話の時間がなければ、もう終わってるけど…
正解はなんだったんだろう
私が一生懸命お母様のお話を聞いたから、終わらなくなってしまったのかな、でも、だからといって強引に治療を進めたら、お母様はもっとお話を聞いてほしかったって思うだろうな、と頭の中でぐるぐると考えが巡ります。
正解はなんだったのでしょうか。
こういう、矛盾したお申し出に対して、私はすごく対応が下手だなと思います。
これからもっともっと経験を積んで、何か良い突破口を見つけられたらと思っています。