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第32回:歯を抜かずに矯正した方が良いですか【矯正コラム】

おはようございます。毎朝7時に更新中のしょう先生のブログへお越しくださり、ありがとうございます。

今日は、大人の矯正治療で歯を抜かない方が良いのか?というテーマについて、綴りたいと思います。

 

 

矯正治療では歯を抜くことがあります

まず大前提として、矯正治療では大人の歯(永久歯)を抜くことがあります。

歯ならびのガタガタが重度であったり、歯が極度に前に飛び出していたり、要因はさまざまですが、状況に応じて歯を抜きます。

親知らずを抜くだけでなく、その他の歯を抜くこともあります。

前から4番目の「小臼歯(しょうきゅうし)」を抜くことが割合としては最も多いですが、それ以外にも5番目の歯を抜いたり、前歯を抜いたりすることもあります。

 

 

抜かない矯正もあります

矯正治療において、永久歯を抜くことが良いのか、悪いのかという議論は、昔むかしからあります。

さまざまな流派があり、「永久歯を抜かない矯正こそ正義」とする考え方もあります。

一方で、ほとんどの矯正で抜歯が必要とする考え方もあります。

 

どちらが正しいのか。

昔から様々な研究者、臨床家が論文を書き、「抜くことが正しい」「いやいや抜かない方が正しい」と舌戦を繰り広げていますが、今のところ、どちらかに統一されるようなことはないようです。

 

 

患者様には、抜かない矯正が受け入れられやすい

「矯正をするにあたって、永久歯を8本抜きます。親知らず4本と、それ以外に4本抜きます。」とお伝えすると、動揺される患者様も多いです。

虫歯になってボロボロの歯ならまだしも、見た目はきれいな歯を抜くということに抵抗を持つことは、当然の心理だと思います。

 

患者様には抜かない矯正が受け入れられやすいため、ホームページに「抜かない矯正をします」と前面に打ち出している矯正歯科も少なくありません。

(私の体感では、以前よりは減っているように思います。)

 

 

患者様に応じた判断が必要

ただ、私の考えとしては、抜かなければならない場合や、抜いた方が良い結果が得られると予測される場合もあります。

患者様に応じて、永久歯を抜くか抜かないかを使い分けることが大切ではないでしょうか。

 

何事も、極論はどこかで無理を生みます。

「肉しか食べないのが良いのか、野菜しか食べないのが良いのか」ではなく、「バランスよく食べるのが良い」と、私は思います。

「朝型人間が良いのか、夜型人間が良いのか」ではなく、「その人の体調がもっとも整う生活が良い」と、私は思います。

 

歯を抜くか抜かないかに関しても、「その人に応じた判断をするのが良い」と、私は思います。

 

 

あなたに合った情報なのか、吟味しましょう

ネットで検索すればいろいろな情報がすぐに手に入る時代ですから、いろいろとお調べになって、困惑されている方がいらっしゃるかもしれません。

でも、今一度、冷静に考えてみてほしいのです。

 

ネットで調べられるさまざまな情報は、あなた自身のお口の中を基準に作られた情報でしょうか。

違いますよね。

あくまで一般論に基づく情報です。

たくさんの方を調べて、研究されたデータかもしれませんが、あなた自身を調べて出されたデータではありません。

 

一方で、あなたの目の前に座っている歯科医師(私に限らず全ての歯科医師)は、あなた自身を調べて話をしています。

そのことを頭の片隅に置いて、目の前の歯科医師の説明を聞いていただければと思います。

 

今日もお読みくださり、ありがとうございました!

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