BLOGしょう先生のブログ
おはようございます。今日もお越しくださり、ありがとうございます。
最近とっても寒いですね。先日の雪景色を撮影してみました。
雪は小さすぎて、なかなかきれいに写らないですね。
さて、今日は親知らずに関する記事を書こうと思います。
目次
親知らずは抜いた方が良いですか?
私が歯科医療従事者と分かると、ほぼ必ず会話にあがる内容があります。
「親知らずは抜いた方が良いですか?」
もしくは
「親知らず抜いたときめっちゃ腫れました」
この2つは歯医者よくあるトークの1つです。
それだけ関心を持っておられる方が多い話題なんですね。
抜いた方が良いのか?というご質問には、大きく2つの質問で判断することができます。
親知らずの抜歯判断に用いる2つのポイント
親知らずはお口の中に見えていますか?
お口の中に見えているかどうか、すなわち生えているかどうかがまず第一のポイントになります。
見えていない、つまりまだ歯ぐきの中に埋まっている場合は、原則抜く必要はありません。
(例外はありますが、そういった例外の時は歯科医師が詳しく説明してくれると思います。)
もし、見えている方は、次の質問に進みます。
今まで腫れたことや、口が開けづらくなったことがありますか?
親知らずの周りに感染が起き、腫れたことがあるかどうかは重要な指標となります。
今まで腫れたことがない、という方は、原則抜歯の必要がありません。
こちらも将来的に腫れる可能性が高い場合などは、歯科医師から説明があると思います。
その際は抜歯を検討しましょう。
そして過去に1回でも腫れたことがある方は、親知らずを抜いた方が良いでしょう。
体調が優れない時や疲れている時に親知らずの周りが繰り返し腫れているようであれば、できるだけ早く親知らずについて歯科医師に調べてもらいましょう。
原因が親知らずであると分かった時は、抜くことをお勧めします。
そもそも、親知らずは悪者ではない
「親知らずは抜いた方が良いのですか?」という質問をよく聞きます。
みなさんの話を聞いていると、なんとなく親知らずは悪者のような印象をお持ちなのかな?と感じます。
でも、親知らず自体は諸悪の根源でもなんでもなく、ただの歯です。
もし健康できれいな歯であり、よい方向に生えていて、しっかり反対の歯と咬んでいるようなら抜く必要は全くありません。
しかしながら、そのような良い状態で生えている人は多くありません。
そのため、多くの方が親知らずを抜き、その抜歯が大変なので苦しみます。
その結果、親知らず=めっちゃ痛い=悪者、 みたいな構図が出来上がっています。
親知らず自体が何か悪いことをするわけではないので、親知らずのことを嫌いにならないでください。
私のことは嫌いになっても、親知らずのことは嫌いに…と書きかけたのですが、AKB48の名言は2011年のことでした。
もう10年も前のお話だったので、分からない方もいらっしゃるかもしれません。
あの名言が生まれたときに産まれたお子さんは、今や小学4年生。
考えただけで窒息しそうです。
移植して使えることもある
さて、お話を元に戻しましょう。
親知らずは移植用の歯として使えることもあります。
私たちは俗称で「親知らず」と呼んでいますが、正式名称は「第三大臼歯(だいさんだいきゅうし)」と言います。
奥歯には第一大臼歯、第二大臼歯、第三大臼歯があります。
つまり、親知らずは、その前の奥歯と同じ仲間です。
もし、健康な第三大臼歯が口の中に残っていたら、将来第一大臼歯や第二大臼歯が抜けてしまったり、割れてしまったときに、第三大臼歯を移植して使えるというメリットがあります。
ただし、今の医療では移植歯の予後(つまり寿命)については明確に回答できません。
術者(移植を行う人)の技術力や患者さんの年齢、そして移植する歯の部位や、歯の形態などさまざまな要素によって千差万別なので、一概に移植したら良い!と簡単に言えるものではありません。
【外部論文リンク】大臼歯部への第三大臼歯自家移植の臨床的検討
ですので、移植に使える!と断定はできず、移植に使えるかもしれない!ぐらいの認識で良いかと思います。
なぜ親知らずを抜いた方が良いのか?
もともと悪者ではないし、移植にも使えるかもしれないのに、どうして親知らずを抜いた方が良いのでしょうか?
それは、
一度感染してしまうと、感染源を根本的に取り除くことが難しく、再発を繰り返す
症状が悪化すると入院も必要な状態になる
からです。
つまり、根本的に治らないし、徐々に悪くなることが分かっているので、抜きましょうと言っているわけです。
より詳しく図なども使って説明しているサイトがありましたので、リンクを貼っておきますね。
次に痛くなったら抜きます はNG
こういったお話をすると、「一時期腫れたことがあるんですけど、歯医者で薬をもらって飲んだら収まって、今は痛くなくなったんですよね。だから次に痛くなったら抜きますわ。」って言うおじさんがめちゃくちゃ多いんです!!
でも、親知らずは次に痛くなる前に抜くのがポイントです。
なぜなら、感染して腫れている時は、麻酔が効きづらい状態だからです。
腫れているときに歯を抜こうと思って麻酔をしても、あまり効かないことがあるので、まずは薬を使って炎症を抑えます。
炎症を抑えてから、歯を抜くわけです。
しかし、炎症を抑えたころには、痛みも消失しています。
すると、「症状良くなったし、また今度でいいか…」と思ってしまいます。
この繰り返しになってしまっている方は、要注意です。
矯正治療に伴う抜歯もあります
上記のような、炎症を生じたことによる親知らずの抜歯以外に、矯正治療に伴う抜歯があります。
矯正治療では、歯を前や後ろに動かします。
その際に、親知らずが歯の移動の妨げになることがあります。
その場合は、親知らずを抜歯します。
骨の中に埋まっていても、抜歯することがあります。
骨の中に埋まっている場合は、口腔外科の先生にお願いして、抜歯をしてもらいます。
こういう時は、ちょっと大変ですが、きれいな歯ならびになるために、頑張りましょう。
今日も最後までお読みくださり、ありがとうございました!