BLOGしょう先生のブログ
おはようございます。いつもお越しくださりありがとうございます。
今日は、矯正治療によって、変わるものと、変わらないものについて綴ろうと思います。
目次
矯正治療で全てが良くなるわけではありません
以前の記事で、矯正歯科医は笑顔を作るというお話をしました。
しかし、笑顔にお悩みの方でも、矯正治療をお勧めしない場合があります。
1.矯正治療で、大きなお顔の変化を望む方
2.矯正治療で、わずかなお顔の変化も望まない方
3.矯正治療で、体の不調が治るとお考えの方
こういったお悩みの方には、矯正治療をお勧めしていません。
矯正治療によって、お顔の印象は変わるけれど…
矯正治療を行うと、歯ならびが変わります。それに伴い、見た目の印象も変わります。一般的に歯がきれいになることで、口もとが美しくなると考えて良いのですが、実はこの「美しくなる」は、かなり難しい言葉なんです。
突然ですが、みなさんは好きな顔のタイプってありますか?みなさんの好みは千差万別です。しょうゆ顔、ソース顔、塩顔など、昨今さまざまな調味料に例えて顔が分類されています。
ちなみに私は、調味料ではなく、公家顔と言われます。目も鼻も全体的に薄く、写真を撮ったら顔がなくなるぐらいの薄い顔です。もし、前世が平安時代だったならば、なかなか良いご身分だったのではないかと思われますが、現世では役に立たないお顔立ちでございます。残念。
それはさておき、皆さまのお顔の好みが違うということは、とても重要なポイントなのです。
矯正治療でお顔が変化した場合、全く同じ変化であっても、ポジティブな印象を持つ方と、ネガティブな印象を持つ方がいるということです。そのため、お顔の変化を主な目的として矯正治療を希望される方や、反対にお顔のわずかな変化も望まない!と言われる方には、矯正治療をお勧めしておりません。
矯正治療中には、加齢変化も加わります
認めたくないところではありますが、人は誰でも老化します。矯正治療中も、例外ではありません。
成人矯正の場合、数年をかけて治療をする間に、顔が丸くなったり、しわができたりすることもあります。子どもの矯正の場合、お顔立ちが子どもの顔から大人の顔になっていきます。
そういった人間に起こりうる自然な変化を、矯正治療をしたことによって生じた変化だと考え、嘆く方もいらっしゃいます。
「矯正をしたから顔のしわが増えた」とか、「矯正をしたから太った/やせた」など…。私たちもできるだけお話を聞き、矯正医としてアプローチできる部分はないか、できる限りは考えます。しかし、私たちの力ではどうにもできない部分があります。
そのため、繰り返しになりますが、お顔に大きな変化を望む方や、反対にお顔の変化を全く望まない方、お顔の変化を受け入れられない方には、矯正治療をお勧めできません。
矯正治療で肩こりが治る可能性は低い
ちまたでは、「矯正治療をしたら肩こりが治る」とか、「かみ合わせが万病のもと」と謳った本やネット記事が出回っています。しかしながら、かみ合わせと肩こりや病気の関係は1:1の関係だとは限りません。
確かに、かみ合わせが原因の病気もあるかもしれません。しかし、皆さまのお悩み全てが歯ならびのせいであるとは考えにくいため、お体の不調改善を目的に矯正治療をお考えの方には、当院での矯正治療をお勧めしておりません。
矯正をしたら頭が良くなる、とか、スポーツの能力が高くなる、とか、いろんな情報が溢れています。情報が氾濫したこの世界で、1つの情報だけに踊らされず、さまざまな情報を客観的、総合的に捉えてお考えいただき、ご判断をお願いしたく存じます。
矯正相談時にしっかりと話し合いを
私は矯正相談にお越しの患者様で、美に対するこだわりが強い方や、矯正後の体への変化に対する期待値が高すぎる方には、上記のようなお話を、治療前に必ずするよう心がけています。
でも、お話をしたにも関わらず、せっかくきれいな歯ならびになっても「こんなはずじゃなかった!」と悲しまれる方がいらっしゃいます。私たちも、悲しくなります。
お互いが笑顔になれるように、最初の矯正相談ではしっかりと時間を取って、お話をお伺いします。矯正相談時にはどうぞ遠慮なく、お悩みの点をお伝えくださいね。