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第137回【膨大なデータ】25万人のデータから分かった かみ合わせと医療費の関係【矯正コラム】

おはようございます。今日もお越しくださり、ありがとうございます。

今日はちょっぴり知的な、研究結果に関するお話です。

 

 

先に結論

2021年7月8日に、サンスターグループが25万人の歯と医療費を分析した論文を発表したそうです。

【外部リンク】サンスターホームページ

 

詳しくは上記外部リンクから見ていただきたいのですが、結論を一部抜粋すると

 

・歯の本数が多いほど医科医療費が低い

・かみ合わせが良好なほど医科医療費が低い

・歯の本数が同程度でも、上下の歯がかみ合う領域が多いほうが医科医療費は低い

 

ということが分かったそうです。

 

「医科医療費」とは、「歯科医療費」と区別するために作られた言葉だと思われます。

歯の本数が多く、かみあう領域が多い方が全身的な病気による医療費が少ないということですね。

 

 

矯正と健康の因果関係について

今まで、矯正をすると健康に良い!とは言われていましたが、私はあまりこのホームページにはそういった記載をしてきませんでした。

 

世の中の記事の多くが、偏った意見(自分に都合の良い意見)に見合うデータを取り上げます。

反対の意見もあるにも関わらず、そちらには触れないことが多いです。

私は、自分にとって都合の良い論文だけを取捨選択して、みなさんにお伝えすることで、みなさんが偏った知識になってしまうことは危険だと感じています。

 

そのため、今までも大半の記事は、「あくまでも個人的な意見」としての記述に留めてきました。

そんな私が今回の論文を紹介しようと思ったのは、今回の研究が

「最近の日本人のデータ」であること

「25万人というビッグデータ」であることから

1つの参考にはなるかもしれない、と思ったからです。

 

世の中にはさまざまな研究がありますので、異なる意見もあることを心の片隅に留めた上で、続きを読んでくださいね。

 

 

矯正はした方が良いとする根拠になりうる

私は論文の結論に

「歯の本数が同程度でも、上下の歯がかみ合う領域が多いほうが医科医療費は低い」とあるのがとても興味深いと思いました。

 

これは、分かりやすい言葉に変換すると

「歯がたくさんあっても、ちゃんと噛んでなかったら意味がないですよ」ってことです。

 

ちゃんと噛む状態にするための矯正はした方が良いと読み取れる研究結果ではないかと思いました。

 

 

歯を抜かないことが必ずしも正義とは言えない

日本では、「絶対歯は抜かないで!!」と言われる患者様も少なくありません。

 

でも、たくさん歯があっても、歯ならびがガタガタで、上下の歯が全然噛んでいない人もいます。

ガタガタの歯があったところで、ご飯も噛めない状態です。

 

こういったかみ合わせに参加していない「役に立たない歯」は、矯正をして並べます。

どうしてもアゴが小さく、並べきらない場合などは、その歯を抜きます。

残りの歯を綺麗に並べることに意味があると考えるからです。

 

矯正をするとメリットが多いですよ…とお伝えするのですが、それでも「嫌です!抜きたくないです!」と仰る方もいらっしゃいます。

 

そういった方は

「歯を抜く歯医者は悪い歯医者」だと思っているんですね。

 

おそらくどこかで、そういった記事を読まれたり、テレビで情報を仕入れられたのでしょう。

 

確かに、歯は残せるのであれば、残した方が良いです。

でも、今回の論文から「噛み合う領域が少ない状態で使えない歯を残しているよりは、噛み合う領域を増やした方が良い」との結論が出ました。

 

噛み合う領域を増やすには、矯正はとても良い選択肢となります。

役に立たない歯を残して、かめる領域が少ない状態にするよりは、何本か歯を抜いてでも矯正をした方が、将来医療費を抑えることができるというわけです。

 

 

医科医療費を抑えられると、どんなメリットがあるのか

医療費を抑えられるということは、どういうことでしょうか?

それは、単に「お金が節約できる」ということではありません。

 

医療費がかからないということは、病気が少ないということです。

病気にならない、あるいは病気が少ない場内であれば、病気に罹りやすい人と比べてこんなメリットがあります。

 

・病気による食事の制限がない

食べたいものを、食べられるという幸せが得られます

 

・病気により寝込む時間が減る

貴重な人生の時間を、余すことなく楽しむことができます

 

・病気により仕事を休む必要が減る

病気で有給休暇を消化してしまうと、その分楽しめる時間も減ります。さらに与えられた有給以上に休むと、お給料も減ってしまいますね。

 

・病気による子育てへの影響が減る

病気でお子さんの大切な行事を見に行けなくなったり、毎日のお弁当を作れなくなる日が増えるかもしれません。

病児保育に預けたり、ベビーシッターさんを頼めばお金がかかりますし、親戚や親御さん(おじいちゃんおばあちゃん)にお子さんを預けると気を遣います。

親戚とはいえ、預ける頻度が多ければ、預けられた側の時間を奪うことにもなってしまいます。

 

他にも考えれば、単なる医療費の削減、に留まらないメリットがあることに気づかれるのではないかと思います。

 

 

まとめ:歯を整えておくことは、健康を維持することにつながる

いかがでしたか。

 

「親孝行したい時には親はなし」と言いますよね。

歯も、その有り難みを知る時は、すでに抜けてしまった時や、病気になってしまった時であることが多いです。

 

50代、60代になって、若い時に歯を大切にしておけば良かったと嘆く方は少なくありません。

【関連記事】第65回【75%越え】歯で後悔する人の割合は?【矯正コラム】

 

 

ぜひ、今のうちにご自身の未来のために、そしてお子さんの未来のために、歯について考え直してみてくださいね。

 

私は矯正を専門にしている歯科医師医なので、できれば矯正治療を受けてほしいと思います。

でも、もしそれはハードルが高い…と言う方は、せめて一般歯科で定期検診だけでも、受けてください。

 

定期検診で歯周病の予防や、虫歯の早期発見をするだけでも、その価値は高いと思います。

 

 

今日もお読みくださり、ありがとうございました!

 

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