BLOGしょう先生のブログ

第138回【看板の罠】子どもの初めての歯医者選び 運命を分けるたった1つのポイント【矯正コラム】

おはようございます。今日もお越しくださり、ありがとうございます。

今日は、お子さんの通う歯医者を選ぶお母さんからの相談を元に、記事を書いてみました。

 

 

ももこママからのご相談

「昨日、子どもの3歳検診に行ってきました。そこで、かかりつけ歯科を見つけなさいって言われたんですけど、どうやって歯医者選んだらいいんですか?」

 

 

実は最初がとっても大切!

初めての歯医者選びって、難しいですよね…

特にお子さんは、初めての歯医者選びで失敗すると、一生「歯医者嫌い」になってしまいます。

そうなると毎回歯医者に連れて行くのも大変です。

どうやって選べば良いのか?そこには1つ、最重要ポイントがあります。

 

 

小児歯科専門の歯科医院を選ぼう

ものすごく分かりやすいのですが「小児歯科で診てもらおう」というのが結論です。

え?それだけ?

そうなんです、それだけなんです。

ただ…この小児歯科探しが、なかなか難しいんです!!

 

 

「小児歯科」は、全く経験がなくても看板に書くことができる

例えばgoogleで「小児歯科」と入れると、おそらくご家庭近くの歯科医院がたくさん出てくると思います。

えっこんなにたくさん小児歯科ってあるの?と思われるかもしれません。

 

でも、ちょっと待ってください。

その中で一番近い小児歯科に行ってはいけません。

 

それらの全てが、「小児歯科専門」の医院ではないんです!

 

実は「小児歯科」と看板に書くのは、歯科医師が開業するなら誰でも書けるんです。

看板に小児歯科と書くことを【標榜する:ヒョウボウする】と言います。

 

実際子どもが嫌いでも!

子どもの治療が得意でなくても!!

小児歯科治療の経験が少なくても!!!

小児歯科と標榜することが認められています。

 

ですので、「小児歯科」と検索して出てくる全ての歯科医院を候補とするのではなく、本当に子どもをメインで治療を行っている歯科医院なのかを、ホームページなどで確認する必要があります。

 

 

何でも屋に診てもらうか、エキスパートに診てもらうか

大人の治療と、子どもの治療には、大きな差がない、と考える歯科医師もいます。

「歯を削って詰める」「歯を抜く」など、処置自体は同じだから、できるよって考え方です。

 

一方で、大人の治療と子どもの治療は違うと考える歯科医師もいます。

「子どもは動く」「子どもは怖がる・泣く」「乳歯と永久歯は成分が違う」など、人としての特性の違いや、歯の成分の違いなどから、分けて考えるべきとする考え方です。

 

みなさんは、どちらの先生に診てもらいたいでしょうか?

子どもと大人は違うと思われるのであれば、小児歯科を専門でしている先生の医院で診てもらうべきです。

 

 

「〇〇おとなこども歯科」って何?

さて、近年、急速に増えているネーミングで

「おとなこども歯科」

「こどもおとな歯科」

「おとなこどもクリニック」などがあります。

これは、小児歯科なのでしょうか?

 

私はすごく違和感があるんですよね。

皆さんは歯科以外の病院で

「おとな子ども内科」とか

「おとな子ども耳鼻科」とか聞いたことありますか?

ほとんどないですよね。

(ネットで調べたら、あったんですが、多くはなさそうでした。)

 

人は「大人」と「子ども」にしか分けられませんから、要は「全員」なわけです。

つまり、「おとなこども歯科」は、言い換えると「一般歯科」と同じなんです。

 

 

ではなぜ、こんなネーミングが流行るのでしょうか?

実はこのネーミングは

小児歯科の先生が、「大人も診てあげられるような医院にしたい」という事情から始まっていると思われます。

 

小児歯科を専門に勉強されてきた先生が開業する際には、専門性を武器に開業したいと考えます。

しかし、子どもしか診察をしないとなると、大変なんです。

 

この少子化の時期、かつ歯科医院が乱立する都会では、なかなか子どもだけに限定して治療をするのはリスクが高い。

そこで、「大人も診られる小児歯科ですよ」との想いを込めて、「おとなこども歯科」と名づける医院ができたわけです。

少なくとも、私はそういう発想でおとなこども歯科と名付けた小児歯科の先生を知っています。

 

そういう経緯を聞けば、なるほど…と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

 

しかし今では、大人をメインとした先生でも「子どもも診られる一般歯科ですよ」との想いを込めて「おとなこども歯科」と名付けてしまっている人がいます。

つまり同じ「〇〇おとなこども歯科」でも

専門が「おとな」の先生と

専門が「こども」の先生がいるということです。

「おとなこども歯科」という名前=「小児歯科に精通している」と考えてはいけません。

 

 

小児歯科の先生は、本当にすごい

私は矯正歯科の人間なので、小児歯科が専門ではないからこそ、言えることなのですが、小児歯科を専門にされている先生は、本当に「すごい」です。

 

何がすごいのか?

それは、子どもの接し方です。

 

ちょっと表現が悪いかもしれませんが、「子どもの扱いが上手」です。

また、ちゃんと子どものことを考えて、診療室におけるいろんなことが子どもを中心に回っています。

 

例えば「子ども専用の歯科診療椅子」は、誰でも買えます。

診療が終わったお子さんにおもちゃをあげるぐらいなら、誰でもできます。

 

見かけだけ「小児歯科もやってます」とアピールすることは簡単なんです。

 

でも、子どもをうまくやる気にさせるノウハウや、親御さんの不安を上手に取り除くトーク力、そしてもちろん子どもの治療技術、その全てにおいて、小児歯科の先生は一味違います。

一般歯科の先生とは異なります。

 

さらに、小児歯科専門の歯科ですと、スタッフにも子どもの接し方を教育していますから、スタッフも子どもに適切な対応ができます。

そのあたりは、一般歯科の先生が、表向きだけ真似できるものではありません。

 

 

ももこママの感想

今回お話したようなことを、ももこママにも伝えました。

 

そして、ももこママは自分で小児歯科を選んで、行って来られたそうです。

私に受診した感想を送ってくれました。

 

ももこママ「治療の腕とかは全然わかりませんが、子どもに色々話しかけながら、治療器具を触らせてもらえたり、とても優しい先生でした。

やはり小児専門の歯医者さんは違うなと感じました。

三川先生に相談して良かったなと思いました!!」

とのことです。

 

ちなみに、おこさんの「にこちゃん」は

「おもしろいはいしゃさんだったね!パパがかえってきたらおしえてあげよう!

(診療室で撮影した)しゃしんもパパにみせてね!」

と言っていたそうです。

 

ももこママは、お子さんが鏡を見ながら歯医者で歯のクリーニングを受けている写真も、私に送ってくれました。

きっと にこちゃんは、これから歯医者に苦手意識を持つことなく、楽しく通ってくれるのではないかと思います。

 

1件目の歯科医院選びを失敗すると、歯科がトラウマになってしまうことがあります。

ぜひ、お子さんが自信を持てるような、素敵な小児歯科を選んであげてくださいね。

(モデル:にこちゃん)

 

今日もお読みくださり、ありがとうございました!

 

 

関連記事です

第8回【最初が肝心】お子さんが歯医者嫌いにならないための3つのポイント【矯正コラム】

 

Share

SEARCH

CATEGORY

ARCHIVE