BLOGしょう先生のブログ

第250回【矯正コラム】矯正医の仕事はAIに乗っ取られますか?

こんにちは!今日もお越しくださり、ありがとうございます。

 

 

人の手が不要になる時代

コロナウイルスの影響もあり、急速にデジタル化が進んでいますね。

飛行機の搭乗などもずいぶんと簡単になりましたし、ファミリーレストランでは料理をロボットが運んでくる時代になってきました。

人の手が介在する必要がなくなってきていますね。

いろんな仕事が機械やAI(人工知能)に取って代わられていくこの時代。

矯正歯科医師という仕事も、AIに乗っ取られてしまう可能性があると私は考えていました。

「乗っ取られる」と書くとちょっと響きが良くないかもしれませんが、技術の進展とともに、不要になる可能性があります。

 

 

今でも歯科医師不要の矯正が存在するらしい

すでに今でも、自分で歯型を取って会社に郵送すれば、自宅にマウスピースが届き、それをはめるだけできれいに並べられると謳っている会社があるそうです。

歯科医師の介在を必要としていないのですね。

すごい世界です。

私はまだ見たことがなく、想像の範囲を超えないのですが、今はまだ治療の精度が低いようで、装置によってさまざまな消費者トラブルが発生しているそうです。

学会から注意喚起の連絡が届いたこともあります。

 

ただ、これがあと何年(何十年?)もすれば、精度も良くなり、歯並びは簡単に治せる時代が来るのかもしれないなぁ…と思っています。

もしそうなったら、矯正医の仕事はなくなってしまうのでしょうか?

 

 

完全になくなることはないのでは?

私の予想では仕事は完全になくなるわけではないと思っています。

まず、AIの難しいところは「理屈を説明してくれないところ」です。

いわば「占い」に近いところがあります。

 

例えばあなたのそばにAIロボットがいたとしましょう。

あなたはいつもと同じスーパーへお買い物に行こうとしています。

スーパーまではまっすぐ1本道。そこで、ロボットがこういうのです。

AIロボ「今日は1本目の交差点を右へ曲がってください。」

あなた「え?どうして?」

AIロボ「…。」

あなた「右に曲がったら倍の時間かかるけど?」

AIロボ「右に曲がった方が良い確率は72%です。」

あなた「なによそれ…。」

 

AIは過去の膨大なデータから、右に曲がった方が良いと判断しています。

でも、それが「工事をしているから」なのか、「事故に遭う確率が高いから」なのか、分かりません。

この指示に理由もなく人間が従えるのか?という疑問があります。

また、72%の確率でと言われても、残りの28%は直進で良いわけで、直進することで時間は大幅に短縮できます。

こういった時、多くの人は直進してスーパーに向かっていくでしょう。

 

これが、医療の現場だったらどうでしょうか。

 

AIロボ「あなたは歯を4本抜いた方が良いでしょう。」

あなた「え?どうして?」

AIロボ「…。」

あなた「でも歯はできるだけ抜きたくないんだけど。」

AIロボ「歯を抜いた方が良い確率は72%です。」

あなた「じゃあ残りの28%はどうなるのよ?」

AIロボ「…。」

 

こんな感じで、人の心に寄り添うことが難しいのですね。

理屈の説明もないので、人の心が動かない。

 

そういった観点から、AIに全ての矯正歯科の仕事が置き換わることはないのでは…と思っています。

人の心に届く治療を

私は、1人1人の患者様の希望に沿って、オーダーメイドの治療を心がけています。

AIに負けないよう、人の心に寄り添い、安心して治療を受けていただける環境を作っていければと思います。

 

今日もお読みくださり、ありがとうございました!

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