BLOGしょう先生のブログ

第6回【長い目で】最初の就職で気を付けるべきポイント【衛生士向け講座】

おはようございます。今日もお越しくださり、ありがとうございます。

今日はこれから歯科衛生士になる方に向けての就職アドバイスコラムです。

 

 

衛生士のモチベーションの差

歯科衛生士になる方、すでに歯科衛生士の方と数多く接してきましたが、歯科衛生士のモチベーションには大きな差があります。

今このブログをお読みいただいている方に分かりやすいよう、ざっくりと分けますと

・親から「何か資格でも取っておきなさい!」と言われて、歯科衛生士の資格が取れる学校に行くことにしました

という歯科衛生士の方と

・小さいころに歯医者によくお世話になっていて、あこがれがあって歯科衛生士になりました

という歯科衛生士の方では、全然モチベーションが違うのです。

 

 

きっかけは何でも良い

私は、別に入口はどちらでも良いのではないかと思っています。

高校生の時に明確なビジョンを持っている人の方が少ないですから、親御さんのアドバイスで歯科衛生士を目指してみることも、良いことだと思います。

ただ、歯科衛生士学校に入学し、卒業して歯科衛生士になれば、どんな理由で入学したとしても、患者様からはプロの歯科衛生士と認識されます。

親に薦められて入ったから…と言って、どこか冷めた目で働いてしまったり、しっかりと働く意欲が持てないようでしたら、患者様に失礼となってしまうことを忘れてはならないと思います。

 

 

最初の歯科医院選びが重要

プロの歯科衛生士として出発するにあたり、大切なのが、最初の就職先です。

最初の就職先はよく考えて検討することをお勧めします。

それにはいくつかの理由があります。

 

 

素敵な上司と出会えるかどうか

おそらく、最初の就職先でどんな上司と出会えるかで、その人の歯科衛生士としての人生は大きく変わるのではないかと思います。

歯科衛生士の上司、歯科医師の上司、歯科助手の上司など、さまざまな上司がいますが、職種は何であれ、素敵な上司と出会えるかどうかは、とても大きな分岐点になります。

尊敬できる上司に出会うと、仕事の面白さや楽しさを知ることができたり、勉強することが楽しくなったりするのですが、そうでなければ勉強する機会もなく、単なる雑用係であったり、歯のお掃除屋さんとしてひたすら毎日歯のお掃除をするだけになってしまったりします。

最初に出会う人が、とても大事な業界だと思います。

 

 

診療見学を何度かする

私がおすすめしたいのは、就職前に何度か診療見学をすることです。

就職前には面接があると思います。

でも、院長やスタッフとの面談ではあまり実情が分かりません。

院長も、あなた自身も、お互いに良いところを見せようとしてしまいますので、良いところしか見えません。

 

実際の診療風景を見ることで、患者さんやスタッフから、その医院の雰囲気を感じられる部分があると思います。

 

もちろんみなさんはまだ歯科医院の実態を知らない衛生士の卵ですから、それでも分からない部分が多々あると思います。

ただそれでも、まず職場の空気を感じておくことは、大切だと思います。

 

 

給与で選ばない

歯科衛生士の給与はかなり幅があります。

給与の高いところはとても魅力的ですよね。

奨学金を借りている方などは、少しでも給与が高いところで働きたいと思っているかもしれません。

でも、あえて言います。

給与で職場を選ばないようにしましょう。

 

その給与の高い歯科医院、ずっと求人広告を出していませんか?

もしそうであれば、ずっと求人広告を出しているけど、人が来ない医院の可能性があります。

あるいは、求人はある程度来るけど、雇用したスタッフが長く続いていない可能性もあります。

それってなぜでしょうか?

 

雇った人がすぐやめるということは、それだけの理由があるということですから、要注意です。

もちろん、立地条件が悪く、通勤に時間がかかるから人が来ていないだけの可能性もありますし、たまたま産休に入る衛生士が立て続けにいるだけの可能性もありますので、一概には言えません。

でも、怪しいと感じる気持ちは大切です。

 

いろいろな方面からリサーチしてみましょう。

 

 

給与を上げた結果

私の知っている医院で、若手研修医(つまり新入社員)の給与を上げた歯科医院がありました。

その医院は、勉強熱心な先生が集まることで有名だったのですが、給与を上げた結果、高い給与に魅力を感じて入社した社員が増えました。

 

すると、大きな変化が生まれたのです。

今まで実施していた若手勉強会も「それって時間外手当出るんですか?」と言って、手当が出なければ参加しない新入社員が増えました。

それを見た先輩医師たちは、若手に教えることをやめました。

その結果、新入社員がどんな歯科医師になったかは…ご想像にお任せします。

 

もしあなたが、高い給与に惹かれて入社するということは、周りの人たちも同じ理由で入社するということです。

短期的な目線で高い給与を選んでしまうと、学ぶ機会を失うことになり、この歯科医師と同じ結果になる可能性も否定できません。

 

 

衛生士の給与は上がりやすい

給与で選ばないことをお勧めしたのにはもう1つ理由があります。

それは、技術・人間力のある衛生士は、昇給を望みやすいということです。

 

これは、衛生士に限らず、全てのお仕事で言えることかもしれませんが、やはり優秀な人は昇給します。

でも、そうでない人は昇給しません。

当たり前のことですよね。

 

その「優秀であるかどうか」は、衛生士学校時代の成績ではありません。

社会人になってからの働きぶりによって変わってきます。

どんな働き方をすればよいのか。そのお手本となる上司がいたら、その人を見習って一生懸命働いていたら、ご自身も良い働きかたができるようになります。

そうすれば、結果はおのずとついてくるはずです。

仮にその勤務先で昇給が望めなくても、転職すれば良い給与が得られるでしょう。

 

 

ブラック企業を薦めているのではありません

ここまでいろいろと書きましたが、1点注意があります。

給与は関係なく、とにかく安くても勉強させてもらえる歯科医院が良い!と言いたいのではありません。

 

「新人はやる気と熱意が大切だ!!」

「寝る間も惜しんで働け!」といったブラック企業では、体がもちませんし、歯科衛生士としてのお仕事の楽しさも半減してしまいます。

給与だけを基準にしてお仕事を選んでしまうと学ぶ機会を失いますし、勉強ができるかどうかだけを基準にしてお仕事を選ぶと馬車馬のようにこきつかわれるかもしれません。

いろいろな角度から、広い視野をもって歯科医院選びをしてほしいなと思います。

 

 

今日もお読みくださり、ありがとうございました!

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