BLOGしょう先生のブログ

第9回【RtR】文字が読める、という当たり前のことができない世界【SDGs】

おはようございます。今日は、私が個人的に活動していることについて、綴りたいと思います。

 

 

クイズ:正しい方はどちら?

さっそくですが、脳トレしましょう。

正しいのはどちらでしょうか。

 

A:6は形です。

B:6は数字です。

 

A:ボールは色です。

B:赤は色です。

 

A:家には扉があります。

B:ネズミには扉があります。

 

制限時間は1時間です。

…え?もう解けた?

さすがです。

 

 

解けない子がたくさんいるんです

「おいおいおい!いくら俺でもこのぐらい分かるし、ばかにしてるやろ!!」

と思われた方がほぼ全員かと思います。

 

でも、実はこの問題、実際に実施されている読解力の問題なんです。

 

このグラフの、オレンジの折れ線を見てください。

この表は、2020年12月にRoom to Readが発行しているグローバルリサーチ・モニタリング・評価報告書の日本語訳を引用しています。

オレンジの折れ線は、Room to Readが支援を行っていない比較校30校の読解力を評価したものです。

 

ネパールの子どもたちは、1年生の初めで、5問の問題のうち、解けたのは0問から0.4問。

(注※上記の問題とは違う読解力の問題です。)

2年生の終わりになっても、1.5問しか正解できないんです。

 

 

文字が読めない子たち

どうして解けないのか?というと、文字が読めないんです。

1年生、というと、日本人のお子さんでも文字を習い始めるころなので、もしかしたら上記グラフと同じぐらいの正答率かもしれません。

でも、おそらく2年生の終わりには、ほぼ全員が5問正解できると思うんですね。

しかし、ネパールでは、2年生の終わりでも、1.5問しか解けないわけです。

 

このオレンジの折れ線は、ネパールで教育を受けているお子さんです。

教育を受けているにもかかわらず、解けないんです。

 

そう考えると、日本の教育は、賛否両論ありますが、2年生でほとんどの子が文字を読むことができる状態ですから、すごいなと思います。

 

 

日本で当たり前のことが、まだまだ当たり前ではない

私は、ネパールに図書館を建てたことがあります。

チャリティー活動をして、自らの資金と合わせ、図書館を作りました。

その時にサポートしてくださったのが、Room to Readの皆様でした。

特に、Room to Read Japan 事務局代表の松丸佳穂様にはいろいろなことを教えていただきました。

(先ほど「サポートしてくださった」と書きましたが、私がしたのは寄付をするところまでなので、もしかしたら図書館を「建築してくださった」の方が適切かもしれません。)

 

そして、日本で当たり前の前提が、まだまだ当たり前ではないということを教えていただきました。

特に「教育」の重要性について、丁寧にご説明してくださいました。

 

 

普通の海外旅行では感じられない「世界の差」

私たちはコロナがはやるまで、割と自由に海外旅行へ行くことができました。

いろいろなツアーパッケージもあり、楽しく旅行を楽しめましたよね。

 

でも、多くの方がそういった旅行で行くのは発展した国であり、きれいなところばかりを見ると思うんですね。

もちろん、大学生の時にバックパッカーで世界を回ったよ!という方もいらっしゃると思うんですが、多くはないと思います。

 

私は、ネパールに行って、衝撃を受けました。

いたるところで、異次元の世界だったんです。

 

筆舌では尽くしがたい「違い」がありました。

なんというんでしょうか…

 

うまく表現することが難しいので、差別的な表現と受けとめられてしまったらごめんなさい。

でも、伝えたいのであえて書きますね。

 

漫画の中でしか存在しないと勝手に決めつけていた、真っ暗でほんの少し先が見えない、月明かりとろうそくの光だけが頼りの夜のスラム街を歩きました。

 

寺院で観光中に後ろを振り返ったら、よだれを垂らしながら迫ってくる浮浪者に腰が抜けそうになったり。

 

手を洗いに行った子どもたちがきれいに整列しているので、どうして分かれて並んでいるのか聞いたら「身分制度によって自分の身分にあった蛇口を使っているんだよ」と言われて、どんな顔をして良いのか分からなかったり。

 

とにかく、日本が普通じゃないんだってことを、ものすごく濃密に体で感じました。

 

 

自分ごとではない。でも、他人事でもない。

図書館を建てるために活動していた時、よく言われたことがあります

「お前、よくやるよな。俺なんか自分の生活でいっぱいいっぱいやわ。」

 

確かに、自分の生活をもっと豊かにするために、自分の時間を割いても良いのかもしれません。

でも、なんていうのでしょうか。

ネパールの子どもたちのことは、自分のことではないのですが、完全な他人事でもないような、そんな気持ちなのです。

 

私も生活が苦しくて、昼も夜もカップヌードルシーフード味で凌いでいる時期がありました。

実習の合間を縫ってアルバイトを週7とか行って頑張っていましたが、それでも給料日前はきつかったりして。

牛丼1杯食べたら明日が苦しいなと思って、おにぎり1個で我慢したりしていた時期もありました。

みんなが楽しそうに行ってた大学の卒業旅行、僕も行きたかったです。

 

そんな苦しい時は、寄付なんて考えられなくて、ただひたすらに生活を紡いでいました。

人は誰しも苦しいときがあると思うので、そんな時は何もしなくて良いんじゃないかなって思います。

 

でも、苦しい時期があったからこそ、逆に生活が落ち着いてきたら、それで満足するのではないかなと思います。

ずーっとそんなに苦しい時期がなかったら、今の生活では満足できていなかったかもしれません。

 

物欲にまみれてしまう人って、本当の極貧を味わったことがない人なのではないか?というのが、私のささやかな持論です。

0点の生活を知っている人は、60点で満足できますが、60点の生活しか知らない人は、100点を取り、120点を目指さないと満足できないってわけです。

 

 

いつか歯科医院として活動できれば

子どもたちに教育をプレゼントする活動は、今は個人の活動で行っています。

いつかは医院の活動に昇華させることができれば良いなと思っています。

その際はぜひ、ご協力をお願いいたします。

 

今日もお読みくださり、ありがとうございました!

 

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