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第145回【激甘】学校歯科検診での歯ならびチェックはあてにならない?【矯正コラム】

おはようございます。今日もお越しくださり、ありがとうございます。

今日は、学校歯科検診での「歯ならび」の項目についてと、お子さんの矯正相談にいつ行けば良いのかについて、まとめてみました。

 

 

学校の歯科検診で紙をもらったときは、重度の歯ならびです

矯正相談に来られる方にたまに言われることがあります。

「毎年学校の歯科検診では紙をもらわなかったんですけど、今年は初めて紙をもらって…」

 

実は、学校歯科検診で「歯ならびについてチェックが付き、紙が渡される」のは、かなり重度の歯ならびになってからなんです。

 

学校歯科検診では、矯正治療が必要な方に対して紙が発行される割合は低めです。

それに対して、虫歯に関しては早めにチェックが付き、歯医者へ行くようにとの紙が発行されます。

矯正歯科治療はかなり重度のガタガタでなければ紙が発行されないように基準が決まっています。

 

これは、私の勝手な推測ですが、歯科矯正治療には原則健康保険が使えないことに配慮しているのではないかと思われます。

 

 

学校医はずっと変わらない地域もある

地域によって違いがあると思うのですが、学校歯科医は数年ごとに代わるわけではなく、一度就任すると学校歯科医本人の意思で「やめる」と言うまで続けることのできる地域があります。

そのため、基本的に学校医は高齢化していきます。

今は、数年ごとに交代することが決まっている地域もあるようです。

 

私が大学生の時に受けた歯科教育と、今の歯学部の学生が受ける歯科教育は、きっと異なると思います。

それ以上に、私の親世代が受けた歯科教育と、今の歯科教育は異なるはずです。

 

昔の歯医者は「歯が悪くなった人を治療する場所」でした。

でも今は、「歯が悪くならないように予防する場所」として、予防に力を入れている歯科医師が増えています。

 

「問題が生じている個所を見つける」のに長けた歯科医師と、

「問題が生じる前に対策を講じる」歯科医師とでは、同じように口の中を診ていても、その対応が異なってくることがあるわけです。

 

もちろん、みなさん卒業後も勉強をして、知識は更新されているのですが、やはり若いころに学んだ価値観は、深層心理に根強く残っています。

 

 

矯正に詳しくない歯科医師も多い

また年齢に関係なく、矯正の分野に進まなかった先生の中には、矯正について全く知識のない先生もいます。

そういった先生が学校検診をしていると、矯正の必要な人が見つけられる率は下がる傾向にあると予測されます。

 

これは、その先生を批判しているのではありません。

私は卒業してから入れ歯や虫歯治療、口腔外科的な治療などからは遠ざかっていますので、そちらの分野には疎いです。

同じ歯科医師でも、皆が各専門に進んでいくので、自身の専門外の分野には、どうしても見落としが生じるということを伝えたいのです。

 

 

明確な基準が「激甘」

少しでも見落としが生じないように、学校歯科検診には明確な基準が設けられています。

ただ、矯正に関してだけは、検診でチェックの入る基準が、かなり甘いのです。

矯正を専門にしている歯科医師が検診をしていたら「これは早く治療した方が良い」と思うものでも、歯科医院へ行くように指示をする紙を発行する基準を満たしていないことが少なくありません。

 

だから、学校検診でチェックが入ったということは、その時点で矯正が必要なことは間違いないと言ってよいでしょう。

 

 

学校検診に関係なく、矯正相談にはいつ行けばよいのでしょうか?

ここまで、学校歯科検診は矯正に関しては、あまりあてにならないことを書いてきました。

では、いつ矯正相談に行けばよいのでしょうか?

それは「親御さんが気になった時」に行けば大丈夫です。

 

早くに行き過ぎたからと言って嫌な顔をされることはないと思います。

反対に矯正相談へ行くのが遅くなってしまうと、治療が難しくなったり、体の成長を使った治療ができなくなったりするので、早い方が良いとも言えます。

もちろん、早すぎる場合は「次は半年後ぐらいに診せてくださいね」と次回チェック日をお伝えいたしますので、ご安心ください。

 

今日もお読みくださり、ありがとうございました!

 

 

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