BLOGしょう先生のブログ

「怒らない秘訣」の先にある世界


先日、歯科医師の集まりがありました。開業医が多く、医院に関する話もちらほら。そんな中で、最も多く出てくるのが従業員の話。

スタッフをどのように教育していくのか、どう接するのか。

そして、どうすれば怒らないですむのか。

院長みんなが悩む大問題です。

そんな議題で、「今は全く怒らなくなった」というある院長先生が、怒らない秘訣を語ってくれました。

 

いろんな本を読んで辿り着いた結論はね

「期待しない」こと。

これに尽きるんですよ。

 

これだけ教えたのだから

これぐらいはやってくれるだろうと

期待してはだめ。

 

何も期待しなくなったら、怒らなくなったし、

めちゃくちゃ楽になったよ。

これ、おそらく今の時代では真実なのでしょう。

いろんな自己啓発本にもそう書いてあるのを読みました。

 

例えば、あなたの隣の家の子が1回宿題を忘れた、という話を聞いたとしても、私たちは怒らないですよね。

ただ、我が子が同じことをしたら、怒るという親御さんは多いのではないでしょうか。

 

それは、我が子に期待しているから。

これだけ子育てをしたのだから。これだけ塾に行かせたのだから。

そういう期待が怒りへと繋がるのだと、本で読んだことがあります。

 

期待をすると怒りが生まれるのだから、期待しなければ怒ることはない。

これが今の理論であり、先ほどの院長先生がたどり着いた世界です。

ただ、これってなんかちょっとさみしくないですか。

他人の子に怒らないように、自分の子にも怒らない。

つまり「他人の子と同じように接する。」ということ。

確かにスタッフも他人だと思ってしまえば、怒ることはないのかもしれません。

 

実際血は繋がっていないので他人。

ですが、そのような接し方では、結局そのスタッフの成長がないですよね。

それで、いいのかな…と、話を聞きながらモヤモヤとしました。

 

そんなモヤモヤを抱えていたら、先日女優のYOUさんと、〇と□のメガネが個性的な成田悠輔さんが、YouTubeの対談動画でこんなことを言っているのを見つけました。

(文章をしっかりメモしたわけではないので、厳密な引用ではありません。)

YOU「今は察しの良い、センスのある子は別に蹴られなくても仕事を覚えるんですけど、昔の方が覚えるの早かったと思います。だって、蹴られるの嫌だから。」

 

成田「殴る蹴るがあった時代って、平等でもあったのかなって思うんです。覚えが悪くても、体で分かるように殴られるじゃないですか。でも、今は自分で察せない人、厳しいですよね。叱っちゃいけないので…。」

 

YOU「察することができないけど、こうやって(殴られて)教えたら、無理にでもやって、ちょっとベースが上がるじゃないですか。」

 

成田「今の世界は表面上は優しいけど、実は厳しいんですよね。」

 

YOU「めちゃめちゃ厳しいと思います。」

 

参考YouTube:夜明け前のPlayers

前後の会話がないので私なりの解釈で少し補足します。

今は、厳しい世の中になった。

昔はできない子は、蹴ってでもやらされて

それである程度できるようになった。

でも今は、それはできない世の中になった。

パワハラとかいろいろ騒がれるから。

 

その結果、できない子はできないままになった。

察しの良い子だけが、生きやすい世の中になった。

 

丁寧に教えてもらうことで

できるようになる子ばかりじゃない。

怒られたくない、蹴られたくない

という気持ちから、できるようになる子もいる。

そういう子が蹴られなくなって

できない子のままになってしまった。

 

「ここまではできてほしい」という

最低限のラインに到達できない子が

怒られなくなった結果

最低ラインに到達できないまま大人になった。

 

そして、生きづらい世の中に放りこまれる。

厳しい世界になりましたよね。

そういうことをYOUさんと成田さんが話していました。

まさに、私の感じていたモヤモヤはこのお二人の対談に現れていました。

 

今はパワハラ問題、〇〇ハラ問題が一段と厳しくなり、良く言えば本人の気持ちを尊重する、優しい世の中になりました。

でも、言い換えると、誰も怒れない世の中になりました。

怒れないなら、怒りたい人はどうするか。

そう、最初の院長先生と同じく、「期待しない」という判断をするのです。

期待されない子達は、怒られない。

そして、学ぶこともない。

 

怒られないから、ぬくぬくと生きていける。

でも、その実際は、教育されることもなく、見捨てられている。

ただ、会社の歯車として、期待もされず、できることだけやっている毎日。

 

そんな世界になった日本の未来は、果たして明るいのでしょうか。

 

でも、多くの院長先生や経営者はこうでもしないと、心の平穏が保てないのです。

すごいストレスで、つぶれそうになってしまうのです。

だからやむを得ず、何も期待しない選択をする。

 

「怒らない秘訣」の先にある世界。

それはなんだか血の通わない、冷たい世界のように

私は感じてしまいます。

皆さんはどう思われましたか。

 

今日もお読みくださり、ありがとうございました!

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