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第158回【Q&A】大人になってから乳歯が抜けることがあるってほんと?【矯正コラム】

おはようございます。しばらく更新が空きましたが、皆様お元気ですか?

最近矯正を始められる方が増え、私は少し忙しくしております。

これからも更新頻度はややゆっくりになりますが、ご了承ください。

 

さて、今日は六甲アイランドに住む方から、こんなご質問をいただきました。

「大人になってから乳歯がぐらぐらしてきたんですが、どうしたらよいですか?」

今日はこの質問にお答えしたいと思います。

 

 

乳歯が大人になってから抜ける?

さきほどの質問内容を聞いて、あれ?と思った方もいらっしゃるかもしれません。

「乳歯は子どもの時に生え変わるものであって、大人になってから抜けるなんておかしいやん!」

 

これは、ごく普通の意見です。

そして、それに気づけた方は素晴らしい読解力をお持ちです。

 

通常、乳歯は大人の歯(永久歯)に生え変わるので、大人になってから残っていることはありません。

ただし、例外があります。

 

 

例外的に乳歯が残る

「大人の歯の本数が生まれつき足りない」方がいらっしゃいます。

歯の本数が足りない方は、乳歯がずっと残っていることがあるんです。

 

比較的よく見かけるのは、前から5本目の乳歯。

乳歯の歯ならびでは、一番後ろに位置する歯です。

この歯の後に、本来であれば大人の5番目の歯が生えてきます。

 

しかし、大人の5番目の歯が生まれつき存在しない方がいらっしゃいます。

その場合、乳歯の5番目が抜けず、ずっと残ることがあります。

 

大人の歯がないことを「先天欠如(せんてんけつじょ)」と言います。

私たち歯科医療従事者は「先欠(せんけつ)」と言うことが多いです。

 

 

 

全員の乳歯が残るわけではない

大人の歯が先欠の場合に、乳歯がずっと抜けずに残ってしまうことがあります。

 

でも、先欠の人は必ず乳歯が残る、というわけではありません。

乳歯が他のお子さんと同じ時期に抜けてしまうこともありますし、10代後半や20代で抜ける人もいます。

そして、30代になって抜けてしまうこともあります。

 

このように、遅くに乳歯が抜ける人に限って、「大人になってから乳歯が抜ける」ことがあるわけです。

 

 

永久に残っていることはほとんどない

乳歯が何歳まで残っているのか?それは人によりばらばらなのですが、私の体感として、30代まで残っている人は少ないと思います。

そして、その方の人生が終わるまで残っている確率はかなり低いと思われます。

 

 

抜けてしまったらどうしたら?

では、いつか乳歯が抜けてしまったら、どうしたらよいのでしょうか?

「大人の歯がないわけだし、もう放っておくしかないのでは…」

「歯医者行くの嫌やし、ぎりぎりまで何もせず粘ってみようかな…」

そう思ったあなた、大変危険です。

乳歯が抜けてしまったら、放置してはいけません。

 

乳歯が抜けたまま放置するとどうなるの?

乳歯が抜けたら、その場所に穴が開くだけ…そう思われたかもしれません。

でも、それだけではないんです。

 

 

乳歯の抜けた場所へ、後ろの歯が倒れてくる

まず、乳歯が抜けた場所に、後ろの歯が倒れてきます。

歯というのは、口の中で前に前に進んでくる性質があるんですね。

乳歯が抜けてしまうと、前に進もうとします。

ただ、厄介なことに、きれいに前に動いてくることができず、倒れてしまうのです。

 

<右端に写っている歯は、左の歯がなくなったことで倒れています。>

 

元気がなくなったひまわりのように、ぐにゃりと倒れてきます。

そうなると、噛むときにその歯が機能しなくなります。

 

乳歯の抜けた場所へ、対側の歯が伸びてくる

また、乳歯と噛んでいた対側の歯が伸びてきます。

対側というのは、例えば下の乳歯が抜けたら、上の永久歯が伸びてくるということです。

歯には、何かと当たるまで伸びる性質があるんです。

そうなると、他の歯と高さが揃わなくなります。

それにより、物がうまく噛めないなどの弊害が出てきます。

 

 

影響をすぐに感じるわけではない

とはいえ、乳歯が抜けたからと言って、例えば3日後に後ろの歯が倒れることはありません。

また、ぐんぐん対側の歯が伸びてくることもありません。

それは、少しずつ少しずつ、変化していきます。

 

それこそ、自分では分からないぐらいのスピードで、ゆっくりと進行します。

 

「なーんだ、それぐらいならいいやん?」

 

…いえいえ、気づいたときには、手遅れになってしまっているのです。

 

 

歯の変化を元に戻すのは難しい

一般的に、歯が前に倒れてきてしまったり、伸びてきてしまうと、それを戻すのは難しくなります。

期間も費用もかかります。

ですので、手遅れになってしまう前に、前もって対処しておくことが大切です。

 

 

では、どう対処したら良いのでしょうか?それについては、次の記事でご紹介します。

今日もお読みくださり、ありがとうございました!!

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