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第84回【デメリットをカバー】マウスピース矯正と拡大床装置の違い【矯正コラム】

おはようございます。今日もお越しくださり、ありがとうございます。

今日は、昨日の記事の続きを書きたいと思います。

 

 

おさらい

昨日は、取り外し式装置と、固定式装置のメリット、デメリットについて大まかにお伝えしました。

取り外し式装置には、こんなデメリットがありましたね。

1.紛失のリスクが高い

2.破損のリスクが高い

 

口から取り出すことができるので、なくしたり、壊したりするリスクが、固定式装置よりも高いというわけです。

 

 

取り外し式装置にも様々な種類があります

前回は、お子さんに使う矯正装置を大きく2つに分けました。

しかし、実際には「取り外し式装置」と言っても、さらにたくさんの種類があります。

 

数ある取り外し式装置の中でも、使われる頻度の高い装置として

・拡大床装置

・マウスピース装置(インビザライン)

この2種類があります。

 

 

拡大床装置を壊したり、紛失した場合

拡大床装置とは、プラスチックの装置にネジがついていて、ネジを1週間に1回(医院によっては毎日)回すことによって、歯ならびを広げていく装置です。

この装置を紛失したり、壊してしまった場合は、再作製が必要になります。

歯型をとって、技工所に送って、装置を作ってもらいます。

 

もちろんきちんと作り直すことができるのですが、必ず費用がかかります。

万単位で費用が掛かります。

 

壊す人は何回も壊しますし、なくす人は繰り返しなくすので、費用がかさみ、頭を抱えてしまいます。

「わざと壊れやすい装置を作って、儲けようとしているのではないか?」と思ってしまう方もいらっしゃいます。

何度も壊れたりすると、歯科医師への不信感につながりますよね。

 

 

また、歯型をとって、新しいものができるまでには時間がかかります。

その間に歯が動いてしまって、新しい装置がはまらなくなることもあります。

そうなると、また型取りをしなければならなくなります。

一度なくしたり壊したりしてしまうと、なかなか厄介なのが拡大床装置なんです。

 

 

マウスピース装置を壊したり、紛失した場合

一方、マウスピース装置(インビザライン)の場合は、対応が異なります。

装置を壊したり、紛失した場合は、すぐに次のマウスピースへ移行します。

 

「次のマウスピース?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

よく分からなかった方は、こちらの記事でも解説していますので、ご覧ください。

 

【関連記事】第30回【はめるだけ】マウスピースで歯が動く仕組み【矯正コラム】

 

マウスピースは、毎週新しいものに交換するので、万一の場合は次のものに進むことができるわけです。

拡大床装置は1つしか使わないので、万一の際に作り直さないといけません。

ここが大きな違いです。

 

 

次のマウスピースに進んでも大丈夫なの?

マウスピースは原則1週間に1枚交換します。

そのため、例えば3日目で紛失して次のマウスピースに進んでしまった場合、歯は十分に動いていない可能性があります。

しかしながら、お子さんの矯正の場合、ほとんど問題なく新しいマウスピースがはまります。

 

お子さんの矯正治療においては、マウスピース1枚あたりの歯の移動量が非常に少なくなっています。

そのため、1枚飛ばしたとしても、はまることが多いです。

ただ、より確実に広げていくためには、正しく1週間使うことが望ましいので、毎回装置を2枚ずつとばしていくようなことはやめてくださいね。

 

ちなみに、マウスピース1枚あたりの歯の移動量が少なく設定されていることで、毎回の痛みも非常に少なく抑えられています。

マウスピース矯正にしてから、痛みでお悩みの方がほとんどいなくなったのは、嬉しいことです。

 

 

装置の清潔さが異なる

マウスピース矯正を始めてから実感したことがあります。

それは、装置の汚れが全然違うということです。

マウスピース矯正だと、1週間ごとに新しい装置に替えます。

どんなにお手入れが雑で、汚れていたとしても、1週間後には新品になります。

 

しかし、拡大床装置は半年や1年、ずっと同じものを使うこともあります。

そうなると、装置はきちんと手入れしていなければ、どろどろになっていたりします。

 

あまりに汚れがひどいので、診療に来られた際は、装着していた装置を預かり、きれいにブラシで洗って薬剤につけ、超音波の出る洗浄器できれいにしていました。

でも、それをするとなると、ちょっと手が取られるんです。

時間もかかります。

 

しかし、マウスピース矯正では毎回新しい装置に代わるので、その時間が不要になりました。

新しくできた時間で患者様とお話をしたり、歯磨き指導をするための時間を確保できるようになりました。

これは、マウスピース矯正を始めたときには想像できていなかった、嬉しい誤算でした。

 

 

治療期間も異なる

マウスピース装置と拡大床装置で大きく異なるもう1つの点は「治療期間」です。

矯正治療の期間は、拡大床よりもマウスピース矯正の方が短くなります。

 

なぜ、短くなるのでしょうか?

それは、マウスピース装置だと、歯ならびを横に広げる「拡大」と、前歯を並べる「配列」が同時にできるからです。

拡大床では、基本的に「拡大」だけしかできません。

もちろん、装置に工夫を凝らすことで配列もある程度はできるのですが、そうなると笑った時に金属が見えたりします。

また、装置が複雑になり、装置のお手入れに時間がかかります。

 

そういった複数の観点から、同じ取り外し式装置でも、マウスピース矯正の方がメリットが多のではないかと、現時点では感じています。

 

 

どちらも使わないと意味がない

全ての取り外し式装置に共通するもう1つのデメリットとして、使わなければ効果が出ない、ということが挙げられます。

こちらは、拡大床であろうが、マウスピース矯正であろうが同じです。

食事と歯磨きの時以外は、頑張って使いましょう。

 

 

まとめ

今日は、取り外し式装置の中でも良く使われる拡大床装置と、マウスピース装置に焦点を当てて説明しました。

私は、どちらの治療も経験した結果、マウスピース矯正の方が良いと思っています。

・患者様の痛み、異物感が少ない

・手入れが楽で清潔(1週間ごとに交換できる)

・紛失などに迅速に対応できる

・1期治療の期間短縮が期待できる(もちろん全てではありません)

などの理由から、マウスピース矯正をおすすめしています。

 

マウスピース矯正は、従来の取り外し式装置のデメリットを補うことができるため、私は良い治療ではないかと思っています。

ただし、マウスピース矯正であっても、きちんと使わなければ効果が出ないことは、知っておいてください。

 

また、前回記事にも書きました通り、矯正治療の治療方法は多岐にわたり、歯科医師によって治療方法は異なります。

また、マウスピース矯正は歴史が浅いため、現在も研究が進んでいる段階です。

これから先…例えば10年先には、みんながマウスピース矯正をしているかもしれませんし、反対にマウスピース矯正はこの世からなくなっているかもしれません。

あるいは、矯正治療自体にものすごい革命が起きているかもしれません。

 

医学的な論文に書かれた常識が、ほんの数年で非常識になることもあるかもしれない時代です。

何が正しいかを判断するのが難しい時代になっています。

みなさまもさまざまな情報から、ご自身にあった治療方法を選択してくださいね。

 

今日もお読みくださり、ありがとうございました!

 

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