BLOGしょう先生のブログ

第160回【質問コーナー】ムーシールドを断られました【矯正コラム】

おはようございます。今日もお越し頂き、ありがとうございます。

今日は、Instagramのダイレクトメールに質問が届いておりましたので、ご紹介いたします。

(ブログへの掲載は許可をいただきました。)

 

 

読者の方からの質問

ペンネーム「あっくんママ」さん

 

お忙しい中突然申し訳ございません。

 

お返事をして頂けないかもしれないと思いながらもお伺いしたい事がありましてメッセージさせて頂きました。

 

2歳7ヶ月の息子が居るのですが、受け口治療でインスタのムーシールドを拝見させていただきました。

 

これならと思い兵庫県外ということもありこちらのムーシールドを取り扱っていて、ホームページで約1年を目標に治療、大半が一度治療すれば大丈夫とうたっている矯正歯科さんに予約の電話をしたのですが、電話口でムーシールドをやると将来奥歯が伸びるからしても意味がない。やらない方がいい。年長になったら普通に矯正したほうがいい。と言われてしまいました。

 

後戻りなど成長に伴いもしかしたら戻ることは重々承知していました。

 

早い段階で目立たない形で治せるならと期待をしていたのですが、やはりムーシールドをすると奥歯が伸びてしまうのでしょうか?

 

ムーシールドもムーシールドをしてその後普通にワイヤーなどで矯正するといった治療方法なのでしょうか…

 

息子の歯を見ていない電話の段階で言われてしまったのでやはりワイヤー矯正の方がいいのかと思い質問させていただきました。

 

 

質問内容のまとめ

【できごと】

・2歳7か月の男の子、受け口治療を希望している。

・ムーシールドを取り扱っているとホームページに書いてある矯正歯科にムーシールドをしたいと電話をしたが、断られた。

・断られた原因が「ムーシールドは奥歯が伸びてしまうから」であった。

【質問】

①ムーシールドでは奥歯が伸びるのかを知りたい

②ムーシールドよりワイヤー矯正の方が良いのかを知りたい

 

こんなところでしょうか。

(文章でのご相談は、内容の相違があるかもしれませんので、予めご了承ください。)

 

質問①「ムーシールドでは奥歯が伸びるのか」への回答

ムーシールドで奥歯が伸びるということはあまり気にしなくて良いかと思います。

 

今は2歳7か月。

大人の奥歯(6歳臼歯)が生えてくるのは6歳頃ですから、今の時点で奥歯の心配をする必要はないでしょう。

また、もし仮に大人の奥歯(6歳臼歯)が生えていたとしても、適切な大きさのムーシールドを使用していたら、6歳臼歯が過度に生えることはないかと思います。

 

 

質問②「ムーシールドよりワイヤー矯正の方が良いのか」への回答

ワイヤー矯正の方が良いのか、に関しては、そもそもムーシールドとワイヤー矯正はステージが異なるというのが回答です。

 

例えば…なかなか良い例えが思い浮かばなかったのですが、赤ちゃんの「胎教」ってありますよね。

お腹にいる時から、絵本を読み聞かせたり、クラシック音楽を聞かせたりして、良い環境づくりをする方がいらっしゃいます。

そういった胎教をしたら、生まれてから教育をしなくても良いのか?というと、そうではないですよね。

胎教はあくまで赤ちゃんが生まれてくるまでに親ができる「環境づくり」です。

その後成長したら、しかるべきタイミングで必要な教育を行う予定になると思います。

 

ムーシールドも胎教に近いものがあります。

口の周りの筋肉の環境を整える装置ですので、それをしたからと言って、その後の矯正治療が必ず不要になるというものではありません。

しかるべきタイミングで必要な矯正治療を行う予定になると思います。

 

胎教と異なるのは、ムーシールドだけでお口の環境が整ってしまう場合もあり、矯正治療が不要になる場合もあるという点です。

しかし、必ず矯正治療が不要になるわけではありません。

矯正医の中には、このような「不確実な治療」に対して否定的な先生もいます。

もしかしたら、お電話で対応してくださった先生は、治るか治らないか分からないムーシールドをするよりも、成長を待って、しかるべきタイミングで必要な矯正治療をするだけでよいという考え方なのかもしれません。

 

 

ご相談内容に潜む疑問点

さて、ここまで2点、ご質問に対してお答えいたしましたが、1つ疑問があります。

「ムーシールドを取り扱っているとホームページに書いている矯正歯科なのに、ムーシールドをお断りした」という点です。

 

なぜ、ムーシールドをやっているはずなのに、断られたのでしょうか?

可能性はいくつかあります。

 

A)ホームページが古い情報であった

B)ホームページを代理店などに依頼しており、院長の心のこもったページではなかった

 

上記2つであれば、それほど気にすることはないでしょう。

歯科医師の中には、ホームページにあまり重きをおいていない者も多いからです。

ただ、もしB)なのであったとすれば、そのホームページに書いてある他の情報も、あまり信頼できないことは心に留めておくと良いかもしれません。

 

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もう1つ、考えられる可能性として

C)何か電話できっかけがあり、あっくんママの治療をお受けしない方が良いと考えた

可能性があります。

 

メールの文章だけでは、詳細が分かりませんので、この先はあくまで推測となります。

 

例えば、お電話で複数の質問をされませんでしたか?

基本的にお電話には受付のスタッフが対応するはずです。

 

受付スタッフが対応できないような質問を電話でされた際に、歯科医師が取り次ぐことがあります。

もちろん、受付スタッフのいない矯正歯科もございますので、一概には言えませんが、歯科医師が電話を代わるということは、診療室の診療現場が止まってしまうことを意味します。

 

お電話を早く切らなければ現場が回らない状況なのに、たくさん質問をされるような患者様の場合、お受けしない方が良いと考えた可能性も否定できません。

私がメールを拝見したかぎりでは、今回あっくんママさんがお電話をされた先生は、ムーシールドに関して、かなり丁寧にお電話でご回答くださっているように感じました。

この回答を説明するのに、結構な時間がかかったのではないかと思います。

 

診療は分刻みで計画が立てられていますので、仮に3分歯科医師が電話対応に回るだけで、混雑時の診療現場は戦場になります。

私たちは目の前にいらっしゃる患者様を大切にしていますので、お電話が長くなる場合は、大変困ってしまうということも知っていただくと良いかと存じます。

 

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これからどうすれば良いか?

以上をふまえ、私は、あっくんママに、小児歯科専門の医院への相談をおすすめいたします。

その際に、お電話で多くを質問しないこと、きちんと予約を取り、その場でたくさん質問することをおすすめいたします。

 

 

小児歯科?

なぜ、矯正歯科ではなく、小児歯科専門の医院をお勧めしたのかと言いますと、2歳台で矯正歯科を受診される方はほとんどいらっしゃらないからです。

 

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ムーシールドを早くつける子でも3歳をすぎてからになりますので、今のタイミングでは小児歯科専門の医院にご相談される方が良いと判断しました。

矯正歯科に電話をすると、年齢(生年月日)を確認した時点で、「あれ?小さすぎない?」と思われて、結局今回のように詳細を話すことになってしまうかもしれません。

また、矯正歯科の中には、お子さんを苦手とする(大人の矯正を得意とする)歯科医院もあります。

小児歯科はもれなくお子さんのことが大好きですし、お母様への接し方なども慣れています。

不安に思っておられるあっくんママの助けになってくれることは間違いないでしょう。

 

今回の回答が参考になれば幸いです。

 

繰り返しになりますが、想像の域を超えない部分もございます。予めご了承ください。

 

今日もお読みくださり、ありがとうございました!

 

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